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温い
「温い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
温いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
もあるのです。あの美学の入門などに云う色の上の寒温ですね。この連中は赤とか黄とか
温い色の野菜ならば、何でも及第させるのです。が、青とか緑とか寒い色の野菜は見むき....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
たけれども、娘なんぞ寄っても着かない、……ばかりでない。この霜夜に、出しがらの生
温い渋茶一杯|汲んだきりで、お夜食ともお飯とも言い出さぬ。座敷は立派で卓は紫檀だ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
士の額からすべり落ちた。 ああ、これはなんとしたことだ。首領の両脚は、たしかに
温い血のかよった、人間の脚にちがいなかった。 人間金庫 机博士はゲッソリ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
するのであった。朝日は、今ようやく向いの建物の頭を掠《かす》めて、低いそしてほの
温い日ざしを、南向きの厚い硝子《ガラス》の入った窓越しにこの部屋へ注入して来た。....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
帆村の余興 帆村は、検事に礼をいって、卓上に並んでいる茶呑茶碗を一つを取上げ、
温い番茶を一口|啜《すす》った。 一座は大寺警部を中心に、トマトの栽培方法につ....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
に飲まれない、町では「ひやっこい/\」といって、水を売ったものです。水道の水は生
温いというので、掘井戸の水を売ったので、荷の前には、白玉と三盆白砂糖とを出してあ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
日間だか知らないが、とにかく相当時間が経過したあとで、ぼくは気がついた。 僕は
温い部屋の長椅子の上に長々と寝ていた。 「おや、ここは一体どこだろう」 僕は長....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
家にはいると、そこに母や祖母などのなつかし気な笑顔が並んで彼女を迎えた。一家中の
温い息が登志子の身辺に集まって、彼女のはりつめた心がようようにほぐれかけた。しか....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
晃々ときょろつかす。 幕の蔭と思う絵の裏で、誰とも知らず、静まった藤の房に、生
温い風の染む気勢で、 「……紅蓮、大紅蓮、紅蓮、大紅蓮……」と後見をつけたものが....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
るか、打たれるか、摩られるかと思いながら目を瞑った。しかし今度は摩られた。小さい
温い手が怖る怖る毛のおどろになって居る、犬の頭に触れた。次第に馴れて来て、その手....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
われて子家鴨はひとりで滅入りながら部屋の隅っこに小さくなっていました。そのうち、
温い日の光や、そよ風が戸の隙間から毎日入る様になり、そうなると、子家鴨はもう水の....
「科学時潮」より 著者:海野十三
地下鉄道の開通 上野、浅草間の地下鉄道が出来た。入って見ると随分明るくて
温い。電車の車体は黄色に塗られ、架空線はないから随ってポールやパンタグラフは無い....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。一度は、ファラデーがガラス管の内に塩化窒素を少し入れたのを指で持っていたとき、
温いセメントをその傍に持って来たら、急に眩暈を感じた。ハッと意識がついて見ると、....
「こがらし」より 著者:岩本素白
書くものの中などにも使って居た。それは寒さが今よりも早く来たし、衣料も今のように
温い毛の物などが無く、風がひどく身に沁みて、始終人がそういう言葉を口にしたからで....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
覇両文明の争いとなるものと信ずる。我ら東洋人は科学文明に遅れ、西洋人に比し誠に生
温い生活をして来た。しかし反面常に天意に恭順ならんとする生活を続けたのである。東....