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「温かい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

温かいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
事柄を通しては、こういう風にたまには語り合うことはあった。それが二人の間に幾らか温かい親しみを感じさせた。 如何《いか》にも街道という感じのする古木の松並木が....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
をながめやった。 ちょうど親しい心と心とが出あった時に、互いに感ぜられるような温かい涙ぐましさが、君の雄々しい胸の中にわき上がって来た。自然は生きている。そし....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いうことになった。ところが太陰表面の温度は平均してほぼ地球のそれに等しくまた最も温かい所では一五〇度にも達するのであるから、従って太陰には水素雰囲気はあり得ない....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
、日本へ一枚でも残す方がいいと売価をおつけでしたが」 かの女は冷水のあとにまた温かい湯をうちかけられたような気がした。驚きはそのまま、心の和みが取り戻せた。 ....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
に、マルモ探検隊のことを心配して地球上から見まもってくれていた世界連盟本部からの温かい貴重な贈物だったのである。救済物資《きゅうさいぶっし》がいっぱいはいってい....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
あ、いよいよ焼夷弾を腹へおとすか。わっはっはっはっ」 二人は汗をふきながら、生温かい故国の酒をくみかわすのであった。 南シナ海の怪物 しばらくすると、....
不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
しない。……では、あまり気もちがわるかったら、早く夢から覚めたまえ。君は間もなく温かいベッドの上で眼を覚ますことだろう。隣りの部屋では、君の子供さんたちが、もう....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
、あるいは怒濤のごとくに彼を取り巻き、墓の冷気で冷やかになっている彼の顔の上には温かい愛の眼がそそがれ、一人の友達はその熱情を籠めた手のひらで彼のむらさき色の大....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
もったので、そのままにしておきました。 「だが、こういうものをはいたら、ずいぶん温かいだろうな。」と、夜番はひとりごとをいいました。「なんて上等なやわらかい革が....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ないだって? まあ、そんなばかげた事は考えない方がいいよ。お前さんここに居れば、温かい部屋はあるし、私達からはいろんな事がならえるというもの。私はお前さんのため....
初雪」より 著者:秋田滋
れられず、ただ悲しみのうちに日がたった。 そうこうするうちに、うらうらと晴れた温かい日が廻って来た。彼女は生き返ったような気がした。こうして、彼女は、秋が来る....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
で旗本六人が鼻をそがれた敵討というので同門から金を集めてくれたので、大分|懐中は温かいのだから、大束を極めて好きな酒が呑めるのであった。 隣りの腰掛で最前から....
母と娘」より 著者:岡本かの子
て得たものは戦敗と賠償金でした。斯かる無謀を敢てしたのはドイツ人の心の底に広大な温かい人類愛が欠けて居たからです。ドイツの娘達が男子と一緒になって殺伐な競走ごっ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
までなよなよと且つすんなりするのを、上手の踊のほかは余り見掛けない。引しまった、温かい、すっと長い白い脚が、そのまま霞を渡りつつ揺れるかと見える。同じくらいの若....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ん。愛は花のようなものです。ひとりでに心の中に咲かなければならないものです。花は温かい季節に多く咲きます。心の季節の温かい人は愛の花を多く心に持つわけです。心の....