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「温まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

温まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
るくしていた。君はがんじょうな文鎮になって小さな部屋を吹雪から守るように見えた。温まるにつれて、君の周囲から蒸れ立つ生臭い魚の香は強く部屋じゅうにこもったけれど....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
ネルギーとの関係が疑われてから以来、初めはフラスコの水を根気よく振っていると少し温まるといったような実験から、進んで熱の器械的当量が数量的に設定されるまで、それ....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
匹撃って来たよ」 婆「何処で」 又「あの雪崩口でな、何もお客様に愛想がねえから、温まる様に是れを上げたいものだ、己がこしらえるからお前味噌で溜りを拵えて、燗鍋の....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
綺麗です、玉子をゆでて居る奴があるので、手拭に包んで玉子を湯に浸けて置くと、心が温まるという、どういう訳かと皆に聞くと、黄身から先にゆだって白身が後からゆだると....
小公女」より 著者:菊池寛
んはそういって、店の戸を開きました。そして、奥の暖炉を指していいました。 「さア温まるといいわ。いいかい、これから一かけのパンも得られない時には、ここへ来て、下....
潮風」より 著者:豊島与志雄
んは、何かしら貴重なやさしいなつかしいもののような有様だった。 「一杯のまない、温まるわよ。」 佐代子は杯を受けた。そして二人はとりとめもない話をしながら、酒....
高尾ざんげ」より 著者:豊島与志雄
、今夜はあたしにも飲まして頂戴。」 日本酒とウイスキーとのちゃんぽんには、体が温まるのか冷えるのか分りませんでした。銚子を持って来た女中に、菊千代はウイスキー....
家なき子」より 著者:楠山正雄
には鳥の毛のふとんがあった。親方がそれをわたしのあごまで深くかけた。 「少しでも温まるようにするのだ」とかれは言った。「おまえが温まれば温まるほどいいのだ」 ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
ねたと見えて、すぐ上って来た。 「ここだよ、兄さん。……二人いっしょの方がはやく温まるよ。」 次郎が藁の底から呼んだ。二人は抱きあうようにして寝た。すると、寒....
地上」より 著者:島田清次郎
っと制えているうちに、自足と自負の感情が滾々と湧いて来た。 「本当にあすこの湯は温まるのね」お幸は時子に言った。 「そうですわね」時子はクリームを伸ばしたあとへ....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
が黒いのである。骨つきは、中おちに沢山肉をつけたのを言うのであるが、随分からだが温まる。笹身は刺身にして食う。だが、ほんとうに河豚を好む人からいうと五体のいずれ....
水と骨」より 著者:佐藤垢石
が、南西の山よりも早く雪が解けるのである。だから、裏日本へ注ぐ川の方が、早く水が温まるわけになる。関東平野から、小野子、子持両山の峡谷を遠く北方へ聳え立つ谷川岳....
恐妻家庭円満術」より 著者:小野佐世男
「いかがです。今夜はフグを食べましょうか」 と、いわれた。ホントにボクは心が温まる心持がした。家内というものはそういういたわり心というものが旦那としてはすば....
ひとりすまう」より 著者:織田作之助
ていた。鋭角的な輪廓、よく通った鼻筋、広い額、が、その冷たさに触れてかえって心が温まると思われる様な感じを起させるのだったが、唯一つ、少し上にむくれている上唇が....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
人にはしっくりゆかないものらしい。そこで、その朝は船室に籠りきりで、番茶に梅干で温まると、ないしょで味噌汁に飯をあつらえた。酒の翌朝はどうしても味噌汁に限るのだ....