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温む
「温む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
温むの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅愁」より 著者:横光利一
た。しかし、彼は「何んとなく今日は母が優しくしてくれるので」という簡単な文句が、
温む水の霞んで来るような好い感じで読み終った。彼は記念のために、先夜読んだ藤原基....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
似た二三の高僧連の遊錫《ゆうしゃく》のあとを記録にとどめているに過ぎないし、物を
温むる湯場《ゆば》も、空が冷えれば、人は逃げるように里に下る時とところなのですか....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
中流民の正直な秩序をも知らないのである。
彼ら二人は、もし或る焔が偶然その心を
温むることがあるとしても、またたやすく凶悪になるごとき下賤《げせん》な性質の者で....
「利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
い利根川の水の源に憧れて、幾たび大刀寧岳の姿を、夢に描いたことであろう。 水|
温む春がくれば、はやを釣った。夏がくれば、鮎を釣った。秋がくれば、木の葉に親しん....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
箸で辛くも用を足す火箸に挾んで添える消炭の、あわれ甲斐なき火力を頼り土瓶の茶をば
温むるところへ、遊びに出たる猪之の戻りて、やあ父様帰って来たな、父様も建てるか坊....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
来ているのだ」そんなふうに私は考えました。こういう時にいつでも思い出される「水|
温む」という季題のことを私はまた考えずにはいられませんでした。水
温む! それは空....