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「温もり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

温もりの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
しも、炭と来てはまるで紙幣を焼いているようなものだ。僅かにお君の肌のほてるような温もりが安二郎の悲しい心を慰めるのだった。寒中炬燵なしでどうにか凌げるからだった....
眼を開く」より 著者:夢野久作
谷に遠い側の足跡を拾い拾い急いで行った。 しかしちっとも寒くはなかった。温突の温もりが、まだ身体から抜け切れないうちに、慣れない雪道を歩いて身体が温まり初めた....
夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
度は、全身の注意を、細かに砕いて、彼女の方へぴったり、摺り寄って行った。そして、温もりに混った、彼女の穏やかな心臓の響きを、肩の辺に聴いていた……。 フト、冷....
旅愁」より 著者:横光利一
意志のように思われた。紋服の出入の激しい渦の中でも、矢代は何んとなく懐中に一点の温もりを感じ、消え残っている庭の雪を眺めて立っていた。もし父の死が今より遅く来た....
イオーヌィチ」より 著者:神西清
体であった。彼はそれらの姿が羞じらうように樹かげに身をかくすのを目にし、その肌の温もりを身に感ずるのだった。そしてこの悩ましさは切ないほどに募って行った。…… ....
地上」より 著者:島田清次郎
の真空に取り巻かれた全く孤独な自分をはっきり認識することがあった。外に照り輝き、温もり合うべき力は内に凝結して曙の知恵の力となって、真理を掴もうとしていた。 ....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
、瞳を凝した。頭がうっとりした。 恰も、冬の夜に、甘酒を一杯頂戴して、からだに温もりを覚えたほどの、想いを催したのである。私は、利根川の西岸上野国東村大字上新....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
神宮さまのお守人じゃ」 と、馬子は、鞴のそばの壁へ倚りかかって、いいあんばいに温もりながら、もう半分眠っていながらいう。 (伊勢神宮の神官か、そこへ行ったのな....