温室[語句情報] »
温室
「温室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
温室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
てるのですからね。燐酸肥料《りんさんひりょう》をやる、油滓《あぶらかす》をやる、
温室へ入れる、電流を通じる、――とてもお話にはなりません。中にはまた一刻も早く育....
「路上」より 著者:芥川竜之介
新田は三人に椅子を薦《すす》めると、俊助《しゅんすけ》の問に応じて、これは病院の
温室で咲かせた薔薇だと返答した。
それから新田は、初子《はつこ》と辰子《たつこ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
びとの記憶にも残っているであろう。
わたしの夢みている地上楽園はそう云う天然の
温室ではない。同時に又そう云う学校を兼ねた食糧や衣服の配給所でもない。唯此処に住....
「或る女」より 著者:有島武郎
んといっても秋立った空気は朝ごとに冷《ひ》え冷《び》えと引きしまっていた。葉子は
温室のような船室からこのきりっとした空気に触れようとして甲板《かんぱん》に出てみ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
四十六 土曜日は正午までで授業が済む――教室を出る娘たちで、照陽女学校は一斉に
温室の花を緑の空に開いたよう、溌と麗な日を浴びた色香は、百合よりも芳しく、杜若よ....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
るものでね。……あの机やストオヴもそうだよ。この納屋は窓も硝子になっているから、
温室の代りに使っていたんだろう。」 T君の言葉はもっともだった。現にその小さい....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
い色とりどりの花が咲いていて、いい香りが鼻を打った。また小さいながら、硝子ばりの
温室なども立っていた。このような土の香高い庭園がアスファルトの舗装道路をめぐらし....
「蠅」より 著者:海野十三
った。そこには白い実験衣をつけた若い理学士が立っていた。 「あれは――、あれは恒
温室へ仕舞って置いたぞオ」 「あ、恒
温室……。ありがとうございました。お邪魔をし....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
あった。エレベーターよりもいっそう進歩した仕掛けだと思われた。 「ほほう。これは
温室村へきたようだ。うわあ、すばらしくひろい
温室だ」 「しいッ。声が高い」三根夫....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
す」 「あの蘭は、熱帯産のものではなかったのですか」 「あれは本ものです。しかし
温室に栽培してあるものを利用したのですよ。やっぱりインチキなやり方です」 ....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
みながら、薄い皮の手袋をスッと手首へ扱いて、割合に透いて見える、なぜか、硝子囲の
温室のような気のする、雨気と人の香の、むっと籠った待合の裡へ、コツコツと――やは....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
けるように、納戸から出て来たのが、ぱっと明るみへ立つと、肩から袖が悄れて見えて、
温室のそれとは違って、冷い穴蔵から引出しでもしたようだった、その顔を背けたまま、....
「発明小僧」より 著者:海野十三
替ウルモノトス。斯クシテ完全ニ蒸焼サレタル芋ハ、蓋ヲ取去リテ取出シ、蓋ニ具ウル保
温室内ニ常ニ保温セシメ置クモノナリ。 以上ノ如クナルヲ以テ、芋ヲ焦焼スルコトナ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
らい欲しいとは、お思いになりませんか、お互いに…… 月夜の水にも花は咲く。……
温室のドレスで、エロのにおいを散らさなければ、文章が書けないという法はない。 ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
鰹、鰯こ、鰯こい――伊太利じゃ晩餐の朗々朗が聞えて、庭のコスモス、垣根の黄薔薇、
温室の朝顔も一際色が冴えようという時、廊下が暗くなると、 (あ、熱々々々、)と火....