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渫
「渫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
渫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
経験した自動車の警笛のように聞いたり、或いは又、お濠の外に重いチェーンを降ろす浚
渫船の響きのようにも聞いた。しかし、のちになって、それと気がつき、苦笑がこみあげ....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
これから午後にかけて干潮時と見え、艶のある引潮の小波が、静かな音を立てて岩の上を
渫っていた。 キャプテン深谷氏のヨット、白鮫号は、まだ檣柱も帆布も取りつけたま....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
たら、即座に彼女の魅力の膝下に踏まえられて、せっかく、固持して来た覚悟を苦もなく
渫って行かれそうな予感が彼を警戒さしたのであろう。彼の意地はむしろ彼女の思いがけ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
し、該井戸側は腐朽し周囲は棒杭を立て針金を引廻し僅に崩壊を防ぎ、大正三年十月｜浚
渫の際まで其のまゝに放置せられ、発掘せる木根所々に散在し、井戸の傍に一条の小径あ....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
十銭時代）貧窮のただ中に大枚二円五十銭の小遣（催能の都度に祖父が費消する定額）を
渫って弟子の駈り出しに出かけたので、祖母や母はかなり泣かされたものだという。 ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
とし、しばらくは動こうともせず、口もきかなかった。 （無電装置と放射線計数管と浚
渫機《しゅんせつき》とを備えている靴――とは、妙な靴があったものだ。一体この三題....
「浚渫船」より 著者:葉山嘉樹
の橋にかかっていた。私は橋の上に、行李を下してその上に腰をかけた。 運河には浚
渫船《しゅんせつせん》が腰を据えていた。浚
渫船のデッキには、石油缶の七輪から石炭....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
い身空を水葬礼か」 「それも皆んな心がらだ」 「俺らに逆らった天罰だ」 「湖水を
渫った天罰だ」 「諏訪家の若殿頼正なら、若殿らしく穏しくただ上品に構えてさえいれ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
質的文明の末端である二つのものとなってしまうのである。すなわち、泥を掃き除ける溝
渫《どぶさら》い人と、ぼろを集める屑屋《くずや》とである。
ジャン・ヴァルジャ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ま空《あ》けられていた時代、それからあまり遠くない時代だったのである。下水道の浚
渫《しゅんせつ》はまったく豪雨にうち任せてあったが、雨水はそれを掃除するというよ....
「擬体」より 著者:豊島与志雄
田畑が灌漑されることになっている。昨年七月にはその第一期工事が完成され、築堤、浚
渫、貯水池、水門など、各種の難工事が克服され、このために移動された土壌の量は、高....
「競漕」より 著者:久米正雄
ん抜いてやれ」と囁きながら漕いだ。ところが榛の木林を出外れたところの川の真中に浚
渫船がいて、盛んに河底を浚っていたが、久野は一度もこっちへ溯ったことがないので、....
「すっぽん」より 著者:佐藤垢石
うときには、よく爪の先を究めねばならないのである。 このほど、宮城のまわりの堀
渫いをした時に数匹のすっぽんが網に掛かってきたのを見ると悉く爪の先が鋭くとがって....
「米」より 著者:犬田卯
まま早速自転車で来てくれた。そして注射を一本打っておいて、それから腹部のものを排
渫させると、ヨシ子は呼吸を回復し、少しく元気づいてきた。 「危なかった、生漬の梅....
「雨の上高地」より 著者:寺田寅彦
泥をすくい上げるにも足りないのではないかという気がするのであった。とにかくこの浚
渫機械の小屋と土手はおそらくこの美しい上高地の絵の上にとまった蠅か蜘蛛のような気....