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港町
「港町〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
港町の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ができる。それがシヤトルであるに違いない。うらさびしく秋風の吹きわたるその小さな
港町の桟橋に、野獣のような諸国の労働者が群がる所に、この小さな絵島丸が疲れきった....
「闇の絵巻」より 著者:梶井基次郎
こうしたことは療養地の身を噛むような孤独と切り離せるものではない。あるときは岬の
港町へゆく自動車に乗って、わざと薄暮の峠へ私自身を遺棄された。深い溪谷が闇のなか....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
にある「近郊名所案内」には「H・S工場、――約十八町」と書かれている。 Y市は
港町の関係上、海陸連絡の運輸労働者――浜人足、仲仕が圧倒的に多かった。朝鮮人がそ....
「海」より 著者:梶井基次郎
……らすほどそのなかから赤や青や朽葉の色が湧いて来る。今にもその岸にある温泉や
港町がメダイヨンのなかに彫り込まれた風景のように見えて来るのじゃないかと思うくら....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
たのは、ほんの一カ月ほど前のことであった。その前、彼は東京にいた。この町は関西の
港町だ。 くわしいことは、いずれ後でのべる時があるから、ここには説明しないが、....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
なるほど町へついていた。古風《こふう》な町である。が、町の向うに青い海が見える。
港町だ。 港内には、大小の汽船が七八|隻《そう》碇泊《ていはく》している。西日....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
人造人間の家 このものがたりは、ソ連の有名な
港町ウラジオ市にはじまる。そのウラジオの街を、山の方にのぼってゆくと、誰でもすぐ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
、だにのようにしつこく、この直江津の町に食いついているのだった。なぜ、この小さい
港町が、スパイにねらわれるのだろう。同時に三箇所から起った火事というのも不思議だ....
「電気鳩」より 著者:海野十三
朝鮮半島でありました。朝鮮半島もずっと北の方で、満州国にちかいところの、さびしい
港町でありました。 「大石大尉、私たちのお父さんはどこにいるのですか」 と、高....
「雪のシベリア」より 著者:黒島伝治
アへ来るため、乗船した前夜、敦賀で一泊した。その晩のことを思い出したりした。その
港町がなつかしく如何にもかゞやかしく思い出された。何年間、海を見ないことか! 二....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
い感情の波を体験していたのであろう。未来に描く雄健の美的精神の夢。ロマンチックな
港町への追憶と感謝、一日の奮闘の第一歩の挫折への嘆き、明日の努力への決意――それ....
「火の扉」より 著者:岸田国士
へもどつたといううわさを耳にしただけであつた。 「ハガキにはたゞ、瀬戸内海のある
港町にて、と、ばかりで、見当がつかんのですが……」 「瀬戸内海のある
港町……」 ....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
れて、追いまわされるし、ぼくは、もっと暖かい地方へいってしまいたいと思って、この
港町へきたのだ」 「それで?」 「ここからは、フランス行きの便船がでる。フランス....
「気まぐれの人形師」より 著者:小川未明
雪の降らない、暖かな南の方の
港町でありました。 ある日のこと、一人の娘は、その町の中を、あちらこちらと歩い....
「世間師」より 著者:小栗風葉
葉もメッキリ黄ばんだ十月の末、二日路の山越えをして、そこの国外れの海に臨んだ古い
港町に入った時には、私は少しばかりの旅費もすっかり払きつくしてしまった。町へ着く....