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「游ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

游ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
職工と微笑」より 著者:松永延造
い、苦しみ、鞭打たれた。眼は何か黒い流れや斑紋を幻覚し、あらゆる血管を後悔の蛆が游ぐのを知覚した。 微笑! それが恐ろしいのである。何んな怒りの形相が私をそん....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
深く眼で追いながら、柳の根方でポケットから煙草を取り出して火を喫いつけ、それから游ぐ子を監視する水泳教師のように、微笑を泛べながら二三間後を離れて随いて行った。....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
蓼や、いろ/\の秋の草花も美しい。鮒や鰌を子供が捕る。水底に影を曳いて、メダカが游ぐ。ドブンと音して蛙が飛び込む。稀にはしなやかな小さな十六盤橋を見せて、二尺五....
十二支考」より 著者:南方熊楠
およ》ぐを知り、獣はわれその能く走るを知る。走るものは以て罔《あみ》を為すべし、游ぐものは以て綸《いと》を為すべし、飛ぶものは以て※《いぐるみ》を為すべし。竜に....
十二支考」より 著者:南方熊楠
た者で出羽の事を熟《よく》知るが、かの地にトウシ蛇という、小形で体細く薄黒く川を游ぐものをしばしば見た。而《しか》して自分らの水游ぎを戒むるとて、母が毎《いつ》....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
草の花を摘み、水の中に透きとおって見える肌のまわりに集まってくる小さな魚の群れの游ぐのをじっと眺めているときに、しみじみと孤独の安息と楽しさと、また誘惑的な甘さ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
午後四時から今年の季節中でも指折りの闘牛があるのだ。 だから、この流れる群集・游ぐ乗物・踊る騒音の一大市民行列――人呼んでマドリッド名物「闘牛行」と言う――が....
置土産」より 著者:国木田独歩
出でぬ。 『いい心持ちだ吉さんおいでよ』と呼ぶはお絹なり、吉次は腕を組んで二人の游ぐを見つめたるまま何とも答えず。いつもならばかえって二人に止めらるるほど沖へ出....
鹿狩り」より 著者:国木田独歩
ん躍り上がって叫んだ。なるほど、ちょっと見ると何物とも判然しないが、しきりに海を游ぐ者がある。見ているうちに小舟が一|艘、磯を離れたと思うと、舟から一発打ち出す....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
の国とて、緑の色に濃く被われ、目も鮮かな花が咲き乱れ、岸辺には紫や青や黄色の魚が游ぐのを見られるでしょう。北は冬にでもなれば、満目凡て雪に被われ、山も河も野も家....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
いち書き尽すに暇がありません。そして私たちもその中に生きている。大生命の海の中に游ぐ小生命の魚のように。 これらの組立ては、いちいちに様が変り、時を経るに従っ....