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湖心
「湖心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
湖心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
却いたします。匆々。『秘中の秘』編輯部。」
月のない闇黒《あんこく》の一夜、
湖心の波、ひたひたと舟の横腹を舐《な》めて、深さ、さあ五百ひろはねえずらよ、とか....
「おさん」より 著者:太宰治
た。 雨がやんで、夫は逃げるようにそそくさと出かけ、それから三日後に、あの諏訪
湖心中の記事が新聞に小さく出ました。 それから、諏訪の宿から出した夫の手紙も私....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
あり学校あり、農家も多く旅舎もある。夕照りうららかな四囲の若葉をその水面に写し、
湖心寂然として人世以外に別天地の意味を湛えている。 この小湖には俗な名がついて....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
れが一種の神事となって今も廃れず、大祭当日には赤飯を入れた白木の唐櫃を舟にのせて
湖心に漕ぎ出で、神官が祝詞を唱えてそれを水中に沈めるのを例とし、その前夜に燈籠流....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
渦を巻きながら動いていた。 で、船は渦なりに、沖の方へ引かれて行った。 船は
湖心まで引かれて行った。 そこでしばらく静まった。それから徐々に流れ出した。 ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
尋ねましたが、誰も知らないという。そのうちに日も暮れかかって来たので、そこにある
湖心寺という古寺にはいって暫く休むことにしました。そうして、東の廊下をあるき、さ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
たが、誰も知らないというのである。そのうちに日も暮れかかって来たので、そこにある
湖心寺という古寺にはいってしばらく休むことにして、東の廊下をあるき、さらに西の廊....
「鵞湖仙人」より 著者:国枝史郎
愈々珍らしい、不思議な泳ぎ方をしたからであった。 老人はズンズン泳いで行った。
湖心に進むに従って、形が小さくなる筈を、反対にダンダン大きくなった。しかし是は当....
「火の扉」より 著者:岸田国士
く抱きあつた二人の影を、ほのかな水面の光のうえに投げて、こぐものゝないボートは、
湖心の波にたゞよつている。 空の一端からは黒い雲がわきあがつていた。 雨がぽ....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
何時間も水の上で過ごした。ときには、帆をかけて風のまにまに流され、またときには、
湖心まで漕いで行ってから、ボートの動くのにまかせて自分のみじめな考えにふけった。....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
が一筋水面に走りそこだけキラキラと日光に輝き銀色をなして光っている。無数の水禽が
湖心の辺に一面に浮かんで泳いでいたが、船が近付くのも知らないようにその場所から他....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
しているように思われました。 水番|小舎の付近に繋留された小舟四隻に分乗して、
湖心に漕ぎ出しましたが、湖底へ碇綱を下ろす必要も何もありません。この湖は一番深い....
「西航日録」より 著者:井上円了
。翌朝八時小汽船に駕し、黄浦をさかのぼりてシャンハイに上陸し、城内城外を一巡し、
湖心亭茶園・愚園等を遊覧す。城外の市街はその広大なる、神戸、横浜の比にあらず。東....
「ある神主の話」より 著者:田中貢太郎
けてみた。朦朧とした月の光の射した水の上に岸を離れたばかりの小舟が浮んで、それが
湖心のほうへ動いていた。櫓を押ている小柄の男の姿も見えていた。 「俺に獲れないも....
「春の大方山」より 著者:木暮理太郎
晴れた日に是等の湖水の北岸を通ると、絶えず秀麗なる富士の姿を頭上に仰ぎ、其倒影を
湖心に眺めるのが他に見られぬ特色である。富士なくしては確に湖水の価値を牛ぱ以上も....