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湖沼
「湖沼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
湖沼の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古典風」より 著者:太宰治
頬と、痩せた鼻とを持った小柄の婦人であった。極端に吊りあがった二つの眼は、山中の
湖沼の如くつめたく澄んでいた。純白のドレスを好んで着した。 アグリパイナには乳....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
得るためにまず 地を球形(注三)として空中に浮べたりき。 嵐に慄く海の潮を 次に
湖沼を泉を河を造りぬ、 河は谷に従い、岸の曲るに任せて流れぬ。 多くの流れは成り....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
彫刻の協奏曲となれば、その取りあわせには人を恍惚とさせるものがある。石州はかつて
湖沼の草木を思わせるように水盤に水草を生けて、上の壁には相阿弥の描いた鴨の空を飛....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
に住む小中竜王の大親分たる大竜王は大海に住み、大海底の竜宮の宏麗《こうれい》泉河
湖沼のものに比して格別なる事既に経文より引いたごとく、これ陸地諸水がついに海に入....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なければならんことは、気候はこの通り温かいのですから、霜雪の難はありません、大河
湖沼が乏しいから、洪水の憂いというものからも救われましょう、唯一の心配は風ですね....
「北支点描」より 著者:豊島与志雄
* 済南の大明湖ほど実用と風流とを兼ね具えてるものは少なかろう。この広い
湖沼は、幾つもの私有地に分れていて、それぞれ蓮や蒲などの収益を相当にあげている。....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
と称している。このアメマスはエゾイワナと言うのが本名で、北海道では陸封された川や
湖沼に生活しているが、樺太へ行くと川にも棲み、海へ遊びに行く。 また、別にカラ....
「西航日録」より 著者:井上円了
旅行するがごとし。オランダは全国に山岳はもちろん、丘陵だも見ることを得ず。ただ江
湖沼池のいたるところに存し、麦田の間に雨水の滞留するを見る。これ、世界中第一の低....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
平洋の海原を控えます。中央には富嶽の麗わしい姿を中心に山脈が相連り、幾多の河川や
湖沼がその間を縫い、下には模様のように平野の裳裾が広がります。南は常夏の国とて、....
「三国志」より 著者:吉川英治
やいているところだ。 地勢を見るに、ここは広宗地方とちがって、いちめんの原野と
湖沼だった。 敵は、折からの、背丈の高い夏草や野黍のあいだに、虫のようにかくれ....
「三国志」より 著者:吉川英治
がれが蕪湖に入り、蕪湖の水がまた、曠野の無数の窪にわかれているのだった。 その
湖沼や野にはまた、蕭々たる蘆や葭が一面に生い茂っていた。――ために、彼は幾たびか....
「三国志」より 著者:吉川英治
した。 道の案内には、もと袁紹の部下だった田疇という者が立った。 泥河あり、
湖沼あり、断崖あり――あらゆる難路が横たわっているので、もし田疇がいなかったら、....