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湖面
「湖面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
湖面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
た八つの湖、その一つ一つを見まもる八人の河神の若い瞳。その辛抱を試しみるように、
湖面に、ときどきさざ波が立つ。 旅人たちの話を綜合してみて、いちいち驚かれる伯....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
う。求むる人には席を貸すのだ。三人は東金より買い来たれる菓子|果物など取り広げて
湖面をながめつつ裏なく語らうのである。 七十ばかりな主の翁は若き男女のために、....
「人間灰」より 著者:海野十三
うに気球は中心線上にいるので、灰が多少南北に拡がっても、また東に流れても、うまく
湖面の中に落ち、陸地には落ちないのです。 悉くが水中に落ちてしまえば、いずれこ....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
っつけろ――漢青年は決心した。 だが、今はまだ日中である。西湖の方を眺めると、
湖面がキラキラと光っている。屋根の硝子天井の上からは、強い太陽の光線が、部屋中い....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
り午前一時、淋代から、正に六時間半、経った」 「左の方には、正しくカスミガウラの
湖面が光っています」少佐は、やっと面をあげて、ゴンドラの外を、指さした。 「爆撃....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
石門を出ていった。既に秋の陽は丘の彼方に落ち、真黒な大杉林の間からは暮れのこった
湖面が、切れ切れに仄白く光っていた。そして帆村探偵の姿も、やがて忍び闇の中に紛れ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
った。 「東京を出てからもう二年目の秋だな」 復一は、鏡のように凪いだ夕暮前の
湖面を見渡しながら、モーターボートの纜を解いた。対岸の平沙の上にM山が突兀として....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
、今度は背中が当っていた後側の窓硝子に、眼を近々とすり寄せて、車外を覗いてみる。
湖面を想像させる冷い硝子の発散気を透して、闇の遠くの正面に、ほの青く照り出された....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
食堂のテーブルの上に置かれてあったので、私は手に取って眺めていると、拭ったような
湖面は俄かに暗くなって、例の驟雨がさっと降り出して来た。その雨のなかを何処かで日....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
、三人は小屋の外にでて、下界をながめた。はるかに芝原水源地が、ひょうたん形をして
湖面がにぶく光っている。明日の行程でたどりつく目的地の湖尻の小屋が、豆つぶほどに....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
息は判明せず、この事件を話題として満都は沸き立っている。 その中に平静なる朝の
湖面の如き者は、苅谷氏只ひとりだった。 氏は夫人失踪の第三日を迎えようが、四日....
「恐竜島」より 著者:海野十三
「どうしたんだい、ラウダ」 「船の位置が、船の位置がちがっているんだ」 彼は
湖面を指さしながら、絶叫《ぜっきょう》した。 「五年の間、少しも動かなかったこの....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
っとも南の方には二ヵ所ばかり外部の岸と中央の山とが陸続きになって居る。この山脈が
湖面に浮んで居る有様はちょうど大龍が蜿蜒として碧空に蟠まるというような有様で実に....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
辺城外有斜時雲亦断、一青影是瑞州山。 (明辺の郊外には世俗を離れた所があり、舟は
湖面の光と山の影をよぎる。日が斜めに移る時に雲もまた断ちきれて、ひとつの青い山影....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
つくしている――それは肯定の姿とも暗黙の姿ともうけとれる―― 湖は暮れて来た。
湖面の夕紫は、堂ヶ島を根元から染めあげ、真向いの箒ヶ崎は洞のように黝んだ。大きな....