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「湘南〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

湘南の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
草を投げると、真面目《まじめ》にこう言う相談をしかけた。 「嶽麓《がくろく》には湘南工業学校と言う学校も一つあるんだがね、そいつをまっ先に参観しようじゃないか?....
振動魔」より 著者:海野十三
がめるという、いわゆる牝豚夫人の夫君は、医学博士|白石右策氏だった。白石博士は、湘南に大きいサナトリューム療院を持つ有名な呼吸器病の大家だった。一般にサナトリュ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
た。手ずから採った干薇、萩のステッキ、鶉豆なぞ、来る毎に持て来てくれた。或時彼は湘南の老父に此爺さんの噂をしたら父は少し考えて、待てよ、其は昔関寛斎と云った男じ....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
り。まめまめしき老僕が心を用いて事うるあり。春寒きびしき都門を去りて、身を暖かき湘南の空気に投じたる浪子は、日に自然の人をいつくしめる温光を吸い、身をめぐる暖か....
土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
いた。彼は、空気も、太陽も金だと思わずにはいられなかった。彼は、汽車の窓から見た湘南のうらゝかな別荘地を思い浮べた。金がない者は、きら/\した太陽も、清澄な空気....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
る土地の隆起成生とするのである。 今回の地震には、房総半島の南部から三浦半島、湘南沿岸、鎌倉から馬入川の間、伊豆の東部などは、土地が二尺乃至三四尺も隆起したと....
香水紳士」より 著者:大阪圭吉
ミさんは、固唾を呑みながら、外を見た。 窓の外には、すがすがしい新緑に包まれた湘南の山野が、麗かな五月の陽光を浴びながら、まるで蓄音機のレコードのように、グル....
牛乳と馬」より 著者:豊島与志雄
ち海岸へでもいらした方がよろしかろうと勧めていらしたし、川井の伯父さまから丁度、湘南の或る療養所に室の予約が出来たことを知らせて来た。 お母さまとお姉さまとは....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
いられなかった。 それでも一応の配慮はこらして、長崎始発の東京行急行を選んだ。湘南電車というのができて、新装置の二等車がつき、同時に二等運賃も安くなったから、....
白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
だ悲観しませんでした。やはり神経衰弱が祟っているんだと思って、それから三月ほども湘南地方に転地して、唯ぶらぶら遊んでいると、頭の具合もすっかり好くなったらしいの....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
とはいいながらまだ寒いには寒い。老年になった鶴見には寒さは何よりも体にこたえる。湘南の地と呼ばれているものの、静岡で戦災に遭って、辛い思いをして、去年の秋やっと....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ます。三代目東雲となるべき人であります。ただ、惜しいことには、健康すぐれず、今は湘南の地に転地保養をしておりますが、健康|恢復すれば、必ず祖父の名を辱かしめぬ人....
罠に掛った人」より 著者:甲賀三郎
だった。家主に滞っていた家賃を払い、身の廻りのものを整えると、二人は汽車に投じて湘南地方に向った。 然し、友木は未だ解放されなかった。 その夜、宿で夕刊を手....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
からだの違和を感じて、父と母の厳命で、その年の夏から秋へかけては、到頭七里ヶ浜の湘南サナトリウムで、懊悩しながら療養の日を送ってしまいました。 来月休暇になっ....
雷嫌いの話」より 著者:橘外男
と、その若い技官は件の図表を調べてくれながら、私を冷やかした。 房州よりは、湘南という方が、何か聞こえが明るいから両方同じくらいの程度に雷の尠いところなら、....