湧き出る[語句情報] » 湧き出る

「湧き出る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

湧き出るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
うに心さびしくなって、さっきの恨みとはまた違った悲しみに、あたらしい涙がおのずと湧き出るのを押さえることができなかった。 「実はそういう訳なんだから、このお人の....
若杉裁判長」より 著者:菊池寛
ました。彼は、被害の翌朝、世の中の犯罪者一般に対する憎悪が、初めて自分の心の中に湧き出るのを感じました。が、若杉さんは、自分の感情の転換が、あまりに自分本位の動....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
つかないなあ。 それからそれへと、いくら思い出してみてもこれならばという自信の湧き出る美しい女性を探し当てることはできなかった。ドレゴははげしく昂進してくる自....
渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
けられた雪が、窓硝子《まどガラス》を押し破りそうに積りかかっていた。谷間の泉から湧き出る水は、その周囲に凍《い》てついて、氷の岩が出来ていた。それが、丁度、地下....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
激励された。 事ここに決まる。大安心をした。 しかしそうなると、どっと感傷が湧き出るとともに、さらになお、何かの誤りが責任者の私になきやと反省され、完全に朗....
土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
六 鉱山監督局の技師には、危険な箇所や、支柱や柵をやってないところや、水が湧き出る部分は見せないようにつくろっているのだ。切れた捲綱を継ぎ合して七カ月も厚....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
私の胸のなかをあふれ流れている。 春の目ざめの処女の身体の内部から、おのずから湧き出る恋心は、コンヴェンショナルな女をも自然児に変ずる力がある。その純なる感情....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
しめしてください。……この哀れな失恋の子を……」 ベアトリーチェは、その心から湧き出る低いうめき声で言った。 「おまえは……。おまえは祈っているのだね」と、ジ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
の概を以て、宇宙間の隠微を探るべく勇往邁進する。無上の幸福、無上の満足がその間に湧き出る。天地間の宝蔵は無限であるから、彼は毫も材料の枯渇を患うるには及ばない。....
青春論」より 著者:坂口安吾
こともなさそうだ。実際、女の人は、人生のジャングルや、ジャングルの中の迷路や敵や湧き出る泉や、そういうものに男の想像を絶した美しいイメージを与える手腕を持ってい....
北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
て外出せず、画材の工夫に神を凝らした。――あまりに固くなり過ぎたからか、いつもは湧き出る空想が今度に限って湧いて来ない。 思いあぐんである日のこと、日頃信心す....
奇巌城」より 著者:菊池寛
「ああ!お父様……お父様」 思い掛けないこの場面、この可憐な、無邪気な、胸から湧き出るような泣き声にルパンは少からず面喰った。彼は一度帽子をとってその部屋から....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
い、「秋は夕暮れ」と決められた、あの王朝四百年の感覚に対する抗議に新しい「詩」の湧き出る地盤をもとめられたものであるが、為世にはこの気力は毛頭ないばかりでなく、....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
班、鹿児島ァ起きろ。」 と、起きた起きた。二等よりもより雑然たる諸相の中から、湧き出る、溢れ出る、転がり出る、飛び出る、それらの如く、蠢々として、哀々として、....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
位の円丘を築き上げて、其処から二、三尺の高さに湯玉を飛ばしている。或者は河底から湧き出る清水のように、池の底で沙をモクモク吹き上げている。又或者は岩壁の表面に多....