湯元[語句情報] » 湯元

「湯元〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

湯元の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二百十日」より 著者:夏目漱石
「宿へついたら、僕が面白い話をするよ」 「全体いつ宿へつくんだい」 「五時には湯元へ着く予定なんだが、どうも、あの煙りは妙だよ。右へ行っても、左りへ行っても、....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
、痣蟹の気球が発見されたが、屍体の見当らないこと、それから夕暮に箱根の山下である湯元附近の河原で痣蟹らしい男が水を飲んでいるのを見かけた者のあること、そして念の....
禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
カと体中に行き渡って、手足や瞼が甘えるように気怠るくなる。 見わたすと、彼方の湯元から立ち昇る湯気が、周囲の金茶色の木立ちの根元から梢へとほの白く這い上って、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 血に染《にじ》んだ脇差を振り廻して表へ飛んで出た。 忽《たちま》ちの間に湯元村をひっくり返すほどの騒ぎとなった。 金蔵が血刀を引っかぶって通りへ飛び出....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
兵馬であります。 こうして宇津木兵馬は、鈴慕の笛の音に引かされて、白骨の温泉の湯元まで、知らず識《し》らず引寄せられて来ました。 しかし、兵馬がこの温泉場近....
山の湯雑記」より 著者:折口信夫
とは旅をする者だけが知っている。そう言う道を通って、二十町も登ると、高湯とは別な湯元がある。小さな湧き場だが、お釜と言って、三山の湯殿山を思わせる様な恰好で、温....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
とは思わないが、自然はよい、又季節がちがったらどうだろうか、と思わせます。明日は湯元まで四五十分ドライヴしてお湯にも入り、高山の景色もお目にかけて夕刻かえります....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
一種の日光案内記の体裁をなしている。その夜は野口屋に戻って一泊。五日は登山して、湯元温泉の吉見屋に泊まる。日光の奥で夜は寒く、「行燈にわびし夜寒の蠅ひとつ」の句....
湯元の秋」より 著者:豊島与志雄
私は或る秋の初め、日光の奥の湯元温泉に約二週間ばかり滞在していた。十二月には雪を避けて人は皆麓の方へ下りてゆ....
山吹の花」より 著者:豊島与志雄
傍にテント村の設備がある。それから先は車の通らない歩道で、金精峠を越して奥日光の湯元温泉に至る。 田宮は丸沼の温泉ホテルに身を落着けた。透明な湯に浸り、朝夕二....
雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
ろは谷が深い。 奥日光、湯川と湯の湖の鱒釣りも渓流魚釣りの項に加えてよかろう。湯元の温泉に一夜を寛ぎ、翌|黎明爽昧の湯の湖を右に見て、戦場ヶ原の坂の上に出て、....
旅の旅の旅」より 著者:正岡子規
ら谷川の音、耳を洗うて煙霧模糊の間に白露光あり。 白露の中にほつかり夜の山湯元に辿《たど》り着けば一人のおのこ袖をひかえていざ給え善《よ》き宿まいらせんと....
胎内」より 著者:三好十郎
声 ……去年、いや、この春だったかな、ブラブラここいらへ来て―― 女の声 あの、湯元館のオツヤさんあたりと、いっしょじゃない? 男の声 ヘ! 女の声 女中さんと....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
発、九時二十七分日光着。馬返まで電車に乗り、午後二時三十分中禅寺湖畔、三時五十分湯元。板屋に泊る。 日光の町から馬返へ行く途中、眉を圧して聳え立つ女貌山や赤薙....