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湯水
「湯水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
湯水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
ばぬことでござる。例えて申そうなら、彼《か》の国のカピタンまたはマダロスなどに、
湯水または酒を飲むを何と申すかと、尋ね申すには、最初は手真似にて問うほかはござら....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を破るほどの大胆者である以上、彼らにも相当の覚悟がある筈で、右から左にその大金を
湯水のように使い捨てるような、浅はかな愚かなことはしないであろう。恐らく何処にか....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
何んのために?」 「ついでに云って聞かせてやろう。……大納言様は大腹中、金銀を
湯水にお使いなさる。由緒ある金の鯱の、鱗をさえもお剥がしになりお使いなさるという....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
の御蝋でござんすの―― また、そう訊くのがお極りだと申します。……三度のもの、
湯水より、蝋燭でさえあれば、と云う中にも、その婦は、新のより、燃えさしの、その燃....
「死者の書」より 著者:折口信夫
の湧き口を、此二上山に八ところまで見とどけて、其後久しく、日のみ子さまのおめしの
湯水は、代々の中臣自身、此山へ汲みに参ります。お聞き及びかえ。 当麻真人の、氏の....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
そんな容子で、一日々々、このごろでは目もあてられませんように弱りまして、ろくろく
湯水も通しません。 何か、いろんな恐しいものが寄って集って苛みますような塩梅、....
「露肆」より 著者:泉鏡花
ます、どうぞ諸君。」 「この砥石が一|挺ありましたらあ、今までのよに、盥じゃあ、
湯水じゃあとウ、騒ぐにはア及びませぬウ。お座敷のウ真中でもウ、お机、卓子台の上エ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
、どうにも出来んほどの――あり余るほどの金を手に入れて、――それからはずっと金が
湯水のように使えるようになるんだ。」 「トゥリローニーさん、」と医師が言った。「....
「母の上京」より 著者:坂口安吾
へころがりこんだのは、まだ封鎖前の彼の好景気の頂上だつた。そのころ彼はあぶく銭を
湯水のやうに使つて、夜も昼ものんだくれ、天地は幻の又幻、夢にみた蝶々が自分の本当....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
々大金がころがりこむこと明々白々、まったくお金などというものは、この家にとっては
湯水と変りなくタダで出てくるものなのである。 これより石油の大会社をつくり、大....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
宝四宝の吹き出し最中で、十九、二十の若い手代さえ、昼夜に金銀を幾千ともなく儲け、
湯水のように使い棄てた。 しかし豪奢なその銀座衆さえ、紀伊国屋文左衛門には及ば....
「泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
を通して、道路に沿った掘割に注いでいるのであるが途中になに物か滞って不通となって
湯水が溢れ出すというのである。そこでわれらは、まず長い割り竹で土管の尻から突いて....
「妖怪学」より 著者:井上円了
そのように骨の喉よりただちに下るように祈るの意ならん。また、土瓶あるいは鉄瓶より
湯水をつがんとするとき、過ちて口の方ならずして尻の方よりつがんとすることあり。か....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、三品に過ぎず、一品を幾回重ぬるも任意なり。茶は朝食のときを限りとし、そのほかは
湯水のほかは供せず。ゆえに、乗客みな茶菓および茶器を携帯しおれり。食事のときは一....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
だ学生さんでしたが、いろんな嘘を吐いてはお父さんからお金をせびり取り、そのお金を
湯水のように使って妹の歓心を買っていましたが、遂々それがお父さんに知れ、学資を断....