湯治[語句情報] »
湯治
「湯治〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
湯治の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
二人の関係を感づいていた母親には、新しい心配の種になったのでしょう。芝居へやる。
湯治を勧める。あるいは商売附合いの宴会へも父親の名代を勤めさせる――と云った具合....
「蠅男」より 著者:海野十三
、道を左折して橋を渡ったものらしい。 温泉場の間を縫って狂奔していく三輪車に、
湯治の客たちは胆をつぶして道の左右にとびのいた。 帆村は驀地に橋の上をかけぬけ....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
だなあ。」 「この山代の湯ぐらいでは埒あかねえさ。脚気山中、かさ粟津の湯へ、七日
湯治をしねえ事には半月十日寝られねえで、身体中|掻毟って、目が引釣り上る若旦那で....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
、大掃除の後の骨休め、という処だ。ここは構わないで、湯にでも入ったら可かろうと、
湯治の客には妙にそぐわない世辞を言うと、言に随いて、ではそうさして頂きます、後生....
「古狢」より 著者:泉鏡花
様がない……しかし、そこで鹿落の温泉へは、療治に行ったとでもいうわけかね。」 「
湯治だなんのって、そんな怪我ではないのです。療治は疾うに済んだんですが、何しろ大....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
の場から離縁しよう。死にかかっている吾を見棄てて、芳之助と手を曳いて、温泉へでも
湯治に行け。だがな、お前は家附の娘だから、出て行くことが出来ぬと謂えば、ナニ出て....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
えば先方で怖がります、田舎の意気地無しばかり、俺は蟒蛇に呑まれて天窓が兀げたから
湯治に来たの、狐に蚯蚓を食わされて、それがためお肚を痛めたの、天狗に腕を折られた....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
、その主治医が指定したというもんです。 小児の病気とはいいながら、旅館と来ると
湯治らしく、時節柄人目に立つ。新に別荘を一軒借りるのも億劫だし、部屋|借が出ず入....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
あった。 姉娘に養子が出来て、養子の魂を見取ってからは、いきぬきに、時々伊豆の
湯治に出掛けた。――この温泉旅館の井菊屋と云うのが定宿で、十幾年来、馴染も深く、....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
面は浪人御召抱えの嘆願という手筈を定めていたが、生憎その池田出羽が、天城屋敷に潮
湯治の為出向いているので、今日か翌日かと日和を見ていた。 こちらには小笠原金三....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
。それが原因で逆ずり金蔵は二月ばかり患って死んでしまいました。節穴の長四郎と私は
湯治に行くてえような有様で……そこで去年、その敵討というので、すっかり準備をして....
「山吹」より 著者:泉鏡花
のだがね、塒にはまだ刻限が早かろうが。――私も今日は、こうして一人で留守番だが、
湯治場の橋一つ越したこっちは、この通り、ひっそり閑で、人通りのないくらい、修善寺....
「磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
。東京から一つの仕事を抱えて来て、ここで毎日原稿紙にペンを走らしている私は、他の
湯治客ほどに雨の日のつれづれに苦まないのであるが、それでも人の口真似をして「どう....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
宿の人は保証する、風邪のときも湯に入ると治りますという、近在から来ている二、三の
湯治客は、幾度も幾度も湯に入り、いつまでもいつまでも湯の中にいるのである。 長....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
持がありながらもとうとう表面上、この愛弟子を破門してしまった。 「破門されたため
湯治が出来るなんて、仕合せな破門じゃないの」 「そうでもない。やっぱり、東京の演....