湯治場[語句情報] » 湯治場

「湯治場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

湯治場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
えると、どうしても半月以上に達するのであるから、金と暇とのある人びとでなければ、湯治場めぐりなどは容易に出来るものではなかった。 江戸時代ばかりでなく、明治時....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
に……当前じゃい。うむ、放せ、口惜いわい。」 「迷惑をするじゃあないか。旅の客が湯治場の芸妓を呼んで遊んだが、それがどうした。」 「汝、俺の店まで、呼出しに、汝....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
もない奴等、若い者に爺婆交りで、泊の三衛門が百万遍を、どうでござりましょう、この湯治場へ持込みやがって、今に聞いていらっしゃい隣宿で始めますから、けたいが悪いじ....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
の山から出て附いて行くと申されましたもので。――心掛の可い、勉強家で、まあ、この湯治場は、お庇様とお出入さきで稼ぎがつきます。流さずともでござりますが、何も修業....
山の湯雑記」より 著者:折口信夫
れるほどに建て詰んでいる。其で居て、何だか茫漠とした感じのあるのが、よさと謂える湯治場である。 昼貌の花 今日ひと日萎れねば、山の雨気に 汗かきて居り 最上の湯....
温浴」より 著者:坂口安吾
法のなかった一昔前の精神病院では温浴療法というものをやったそうであるし、ヌル湯の湯治場では、精神病に卓効ありとあるのが多い。それは、しかし、私の場合のように、こ....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
のありさまで従いて行ったところ、お嬢様は途中で駕籠をやとい、山越しをして某という湯治場へ行かれ、そこで一夜をその若党と明かされたそうですが、もちろん二人の仲には....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
れるような、鷹揚で品のある青年が、ずっと向こうの渚の辺で、扇で胸を煽ぎながら、潮湯治場の賑わいを、面白そうに眺めていたが、例の娘が自分の横を、桟橋の方へ歩いて行....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
原まで踏み出しましたが、箱根のお関所がありますので、熱海の方角へ道を換えて、この湯治場に半月ほども隠れていました。それから引っ返して江の島、鎌倉……。こう申すと....
人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
、病人のために造ったものらしい蒸風呂の跡を見ることができるそうである。 田舎の湯治場の風俗は、又、石ブロとほぼ相似た風俗で、一家族で一部屋をかり、自炊して湯治....
書記官」より 著者:川上眉山
あるにはッとしたるごとく、急がわしく室の中に姿を隠しぬ。辰弥もついに下り行けり。湯治場の日は長けれどやがて昼にもなりぬ。今しも届きたる二三の新聞を読み終りて、辰....
曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
が、まだ予定の半数も書けないために、扇屋から根引した新妻のお菊《きく》と、箱根の湯治場廻りに出かける腹を極めていたにも拘らず、二日が三日、三日が五日と延び延びに....
山吹」より 著者:泉鏡花
のだがね、塒にはまだ刻限が早かろうが。――私も今日は、こうして一人で留守番だが、湯治場の橋一つ越したこっちは、この通り、ひっそり閑で、人通りのないくらい、修善寺....
温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
加えると、どうしても半月以上に達するのであるから、金と暇とのある人々でなければ、湯治場めぐりなどは容易に出来るものではなかった。 江戸時代ばかりでなく、明治時....
子供の時分の話」より 著者:小川未明
、湯に入ってこよう。」と、おじいさんはいって出てゆきました。 そこは沸かし湯の湯治場であったのです。私は独りすわって、このものすごい室の内を見まわしていました....