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湯漬
「湯漬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
湯漬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「門」より 著者:夏目漱石
》に胡坐《あぐら》を掻《か》いて、大根の香《こう》の物《もの》を噛《か》みながら
湯漬《ゆづけ》を四杯ほどつづけざまに掻《か》き込んだ。それから約三十分ほどしたら....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
のはございませんが」と細君少々厭味を並べる。迷亭は悟ったもので「いえ御茶漬でも御
湯漬でも御免蒙るんです。今途中で御馳走を誂《あつ》らえて来ましたから、そいつを一....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
間に出で、さいと云う女房に何時かと尋ねた。夜半過ぎましたと答えると馬に鞍を置き、
湯漬を出せと命じた。女房かしこまって昆布勝栗を添えて出すと悠々と食し終った。腹ご....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
幼君守立ての為に力を致される様に」と云った。利家は、朝来、食もとらない勝家の為、
湯漬を出し、酒を勧めて慰めた。夕暮になって、乗換の新馬を乞い、城下を立ち去ったが....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
自ら先登を企てた。前日、家康に叱られて、カッとなっているのである。「公(忠直)は
湯漬飯を命じ近侍|真子平馬に膳を持たせ、立ながら数椀喫せられ、食終て公舒々と諸軍....
「骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
。 それから銀次は上り口に飯櫃を抱え出して、残りの飯と、店に残った皿のもので、
湯漬飯を腹一パイガツガツと掻き込むと、仏が生前に帳場で使っていた木綿縞の古座布団....
「白くれない」より 著者:夢野久作
葉の如く庫裡に入りて笈を卸し、草鞋を脱ぎて板の間に座を占め、寺男の給仕する粟飯を
湯漬にして、したたかに喰ひ終り、さて本堂に入りて持参の蝋燭を奉り、香を焚きて般若....
「源氏物語」より 著者:紫式部
頼もしく見られる家となった。日が暮れると例の客室へ席を移すことを女房たちは望み、
湯漬けなどのもてなしをしようとしたのであるが、来ることのおくれた自分は、今はせめ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
浮舟は迷惑に思って聞いていた。 「お食事の進みませんのはどうしたことでしょう。お
湯漬けでもちょっと召し上がってごらんになりませんか」 などと世話をやくのを、利....
「源氏物語」より 著者:紫式部
来てくれたとしてあらんかぎりの歓待をした。ゆるりと落ち着いて話などをしている客に
湯漬けなどが出された。あたりのやや静かになったころ、 「小野の辺にお知り合いの所....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
に挨拶した。 ただちに別室で舅と聟の差向い。堀田道空の給仕で、盃ごとをすませ、
湯漬けをたべる。二人は一言も喋らなかった。 道三は急に不キゲンになった。毒を食....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
お肚が空きやした」これが田舎者の挨拶であった。 「おお空腹か、そうであろう、誰か
湯漬けを持って来い。……さてその間にきく事がある。もう本名を明かせてもよかろう」....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
かけさせオヤと言わせる座敷の数も三日と続けばお夏はサルもの捨てた客でもあるまいと
湯漬けかッこむよりも早い札附き、男ひとりが女の道でござりまするか、もちろん、それ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
混ぜた味噌を片方ずつの柚子の殻に盛りました。これを菜にし、そして釜で煮えた乾米の
湯漬けを秀吉主従に勧めるのでした。秀吉は、その簡素で優雅な行き届いた利休の作法に....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
かも知れぬ。覚えておこう」 と、官兵衛は、お菊のさし出した茶を一|喫して、 「
湯漬を一碗食べておきたいな。舟にのる前に」 「むすめ。何ぞお支度してさしあげい。....