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「湯茶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

湯茶の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:夏目漱石
から、それが急に痛み出した。指で揺《うご》かすと、根がぐらぐらする。食事の時には湯茶が染《し》みる。口を開けて息をすると風も染みた。宗助はこの朝歯を磨《みが》く....
田舎教師」より 著者:田山花袋
いので、荻生さんは小使部屋に行ってはよく火を火鉢に入れて持って来た。菓子もつき、湯茶もつき、話もつきてようやく寝ようとしたのは十一時過ぎであった。便所に出て行っ....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
なものが立ちこめてみえる。坂の途中の電信柱に凭《もた》れてみる。しんしんと四囲に湯茶の煮えるような音がする。真昼の妖怪《ようかい》かな。私はおなかが空いたのよ。....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
おや、お役人の奥様かい。……郵便局員の御夫人かな。 これが旦那方だと仔細ねえ。湯茶の無心も雑作はねえ。西行法師なら歌をよみかける処だが、山家めぐりの鋳掛屋じゃ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
したが、やがて白雲が正銘の画家であることに合点《がてん》がゆくと、極めて打解けて湯茶などをもてなし、煙草もすすめ、それから絵の事と、風景の事とで、心置きなく会話....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
の老母に少しも食事を与えませず、ついには母を乾殺そうという悪心を起して、三日半程湯茶さえ与えず、母を苦しめました」 右「フーム、世には恐ろしい奴もあるものじゃ....
投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
ガラがあり、二本には口紅がついており、一本にはついてない。 一、しかし、来客に湯茶を接待した形跡はない。 一、被害者の指紋は諸方にあるが、ほかに特に注目すべ....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
あえぐばかり苦しくおぼえしかば、もの売る小家の眼に入りたるを幸とそこにやすむ。水湯茶のたぐいをのみ飲まんもあしかるべし、あつき日にはあつきものこそよかるべけれと....
食道楽」より 著者:村井弦斎
う》やらアトニー症という病気を起す。今の医者が胃拡張の病人に不消化物を禁じないで湯茶《ゆちゃ》だの牛乳だのスープだの酒だの麦酒《びーる》だのと水分の多い飲料を禁....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
嬰児を抱き取って、 「お客、穢い夜具だが、ここなら炉もあるし、夜半に喉が渇けば、湯茶も沸いている。ゆっくりと、この蒲団へ手足をのばしたがいい」 彼が隠れるとし....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
どの女の皮膚も黄いろく、髪は、笠や手拭をかぶっても、みな白っぽく埃になっている。湯茶もなく、ぽそぽそと、舌つづみ打っている姿には、行く末は誰が肌ふれん紅の花――....