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湾口
「湾口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
湾口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
一 室蘭港《むろらんこう》が奥深く入り込んだ、その太平洋への
湾口《わんこう》に、大黒島《だいこくとう》が栓《せん》をしている。雪は、北海道の....
「壊滅の序曲」より 著者:原民喜
ながら、悠然《ゆうぜん》と広島湾上を舞っている。強すぎる真昼の光線で、中国山脈も
湾口に臨む一塊の都市も薄紫の朧《おぼろ》である。……が、そのうちに、宇品《うじな....
「海底都市」より 著者:海野十三
ったやつかね。太平洋戦争中に竣工《しゅんこう》して、館山《たてやま》を出て東京|
湾口《わんこう》から外に出たと思ったら、すぐ魚雷《ぎょらい》攻撃をくらって他愛《....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
三千トンは動かぬところ―― それが悠々《ゆうゆう》として浦賀海峡の真中、江戸の
湾口に横たわっているのですから、船を見るに慣れた浦人《うらびと》の眼をも、驚かさ....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
七つに潜り流れる ゆるい水の移動。 ごつごつと ぶよぶよと 無限につづくものが
湾口の 島島につきあたる。 (ああ おれたちは 魚ではないから 黙って腹をかえす....
「札幌まで」より 著者:寺田寅彦
飛岬の燈台に相違ない。強い光束が低い雲の底面を撫でてぐるりと廻るのが見える。青森
湾口に近づくともう前面に函館の灯が雲に映っているのが見られる。マストの上には銀河....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
ここには素敵に河豚が沢山いて種類も多く味もいい。それから三浦半島の鴨居沖、三崎の
湾口。房総半島では、大貫、湊、竹岡、金谷、勝山、館山などで漁れる河豚は、どこへ出....
「季節の味」より 著者:佐藤垢石
れる鰡についてみると一番分かる。十二月下旬になって産卵のため外洋へ出る途中の東京
湾口で釣れたものは味が落ちる。それは腹に子を持ったからである。江戸前の大鰡で腹に....
「すっぽん」より 著者:佐藤垢石
いるので、いつも魚の鮮味に不自由したことがない。殊に爽涼が訪れてきてからは、東京
湾口を中心とした釣り場であげた鯛、黒鯛、やがら、中|鱸などの膾、伊豆の海の貝割り....
「鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
夏、秋にかけてその鯛釣り場は随分多いけれど、寒鯛釣り場は数が少ない。関東では東京
湾口の鴨居、房総半島の船形、外房州勝浦沖、相模国真鶴港外の三ツ石付近、伊豆半島下....
「鯛と赤蛸」より 著者:佐藤垢石
瀬戸内海の鯛釣り漁師は、蛸の足を餌に使っている。 これは、甚だ有効であるという話だ。しかし、東京
湾口あたりの鯛が、果たして蛸の足の餌に食いつくかどうか疑問であるし、三浦半島の鴨....
「蜻蛉返り」より 著者:佐藤垢石
が一足先に山の上にいる番人の姿を発見すると、彼らは一目散に逃げ出してしまうのだ。
湾口の網を締めるいとまのないほど、早い速力で姿を晦ましてしまう。 なぜそんな素....
「那珂川の鱸釣り」より 著者:佐藤垢石
人で水戸まで担いで帰ったのである。 こんな鱸の大漁は、はじめてだ。その後、東京
湾口の落ち鱸釣りに、それ以上の数を釣ったことはあるが、落ち鱸は食味が劣っているか....
「西航日録」より 著者:井上円了
橋は、英国第一の懸橋にして、その名またかまびすし。ゆえに余、一詠して曰く、 米寧
湾口眼前開、雪動連峰背後堆、誰謂大英風景乏、磐戈真是小蓬莱。 (米寧湾が目前に大....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
一千三十マイルなり。内湾は一大湖のごとく、四面丘陵をもって囲繞し、湾内にありては
湾口を見るあたわず。ときに風雨蕭々として来たり、先年北海道利尻島に客居せし当時の....