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「湿度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

湿度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
していた。わたしの部屋には画架のほかに籐椅子の一脚あるだけだった。籐椅子は空気の湿度《しつど》の加減か、時々誰も坐らないのに籐《とう》のきしむ音をさせることもあ....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
に応えていた。そして、その間は、天地がひっそりと静まり返って、再びあの耐えがたい湿度が訪れてくる。そのいいようのない蒸し暑さの中で、滝人は、とうてい人間の記録と....
生きている腸」より 著者:海野十三
おずとガラス管のそばに顔をよせた。 ガラス管の中の腸《はらわた》は、今や常温常湿度の大気中で、ぐにゃりぐにゃりと活撥な蠕動をつづけていた。 医学生吹矢隆二は....
深夜の市長」より 著者:海野十三
眼をもった両の眼球だけは、なんとなく炯々たる光を放っていた。 「……寒暖計だとか湿度計だとかいう器械で測るよりは、人間の感覚で推知する方が、本当の数値を云いあら....
三十年後の東京」より 著者:海野十三
れ、そして、ぐるぐると回転している、目をうばうほどの美しい塔だった。 「それから湿度は四十パーセント程度に保たれています。ですから、これまでの地下のようなじめじ....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
く間に室の中は泥足で蹂躙せられてしまいました。兄は、自記式の気温計や、気圧計や、湿度計がかけてある壁の際に、うつぶせになって仆れていました。勝見と賀茂子爵とが兄....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
やそう簡単に明けられません」鴨田は強く反対した。「あれを明けると、爬虫館の室温や湿度が急降して、爬虫に大危害を加えることになるので、ちょっとでも駄目です」 「私....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
うものの中に、デイの詐術が含まれているのだよ。ところで、君はたぶん、ランプレヒト湿度計にもあるとおりで、毛髪が湿度によって伸縮するばかりでなく、その度が長さに比....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
られ、そして、ぐるぐると回転している、目をうばうほど美しい塔だった。 「それから湿度は四十パーセント程度に保たれています。ですから、これまでの地下のようなじめじ....
地球要塞」より 著者:海野十三
います」 「なに擾乱状態が……」 私は、手を伸ばして、自記計器の一つである自記湿度計の中から、グラフの巻紙を引張り出した。なるほど、つい今しがた、三分間に亘っ....
今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
とになった。次に示すのは、その日記のうつしである。 三十×年八月八日 室内温度、湿度、照明度すべて異状なし 配給も正確なり 本日は、地下千メートルを征服し、現....
地軸作戦」より 著者:海野十三
れは一体どういうわけですかな。急に気温は騰るわ、雪は融けるわ、その水蒸気のせいで湿度百パーセント、なんという蒸し暑さでしょう」 「なるほどなるほど、宰相閣下が氷....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
すれば、自然発火するんじゃ」 「自然発火?」 「そうじゃ。この書類は一定の温度と湿度と気圧のところに在る限り安全じゃ。つまりこの部屋はその適切なる恒久状態におい....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
ものであったけれど―― 「×年×月×日。雨。」 気圧七五〇ミリ。室温一九度七。湿度八五。 遂に妾は、決意のほどを実行にうつした。 この世に只ひとり熱愛する....
桃のある風景」より 著者:岡本かの子
いるらしい。桃林の在るところは、大体川砂の両岸に溢れた軽い地層である。雨で程よく湿度を帯びた砂に私の草履は裸足を乗せてしなやかに沈んで行く。「すと」「すと」花に....