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「湿潤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

湿潤の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
曠野《あれの》と湿潤《うるおい》なき地とは楽しみ、 沙漠《さばく》は歓《よろこ》びて番紅《さふら....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
もしこれらの遊星の出現が特定の恒星と一緒になるときにはその作用が一層強められる。湿潤をもたらすような遊星が、湿潤な星座に会合するとその結果として永い雨が続く。乾....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
発作中には、モルヒネに対する抗毒性が亢進するものだよ。しかし、どうあっても皮膚の湿潤だけは免れんことなんだがね」 ここで乙骨医師が、モルヒネを例に亢進神経の鎮....
単独行」より 著者:加藤文太郎
様、概して雪崩を誘起しないが、多量のときは積っている雪の中まで浸潤して、その雪を湿潤雪とし最後には粒子のあいだを流れて滑剤となり、恐るべき雪崩発生の原因となる。....
沓掛より」より 著者:寺田寅彦
しいように思われるのである。 そうかと思うとたとえば、紫紅色の「つりふね草」は湿潤な水辺に多いが、これとよく似て黄色い「黄つりふね草」は、少なくもこの地では、....
十二支考」より 著者:南方熊楠
る故、カワラケは乾く意に出でしとすべし、阿婆良気《あばらけ》や島は七島の毛無島も湿潤の気なきより起れる名ともいうべくや」とカワラケだらけの来書だった。しかし内宮....
風俗時評」より 著者:豊島与志雄
、日本の家屋が、都会にあってさえ、集団住宅でなく個別住宅である故もあろうし、また湿潤な気候のために、壁の中に窓があるのではなく窓の中に壁があるという、そうした構....
高千穂に思う」より 著者:豊島与志雄
がある。高原だけではいけないのだ。代表的高原たる軽井沢や戦場ヶ原や仙石原などに、湿潤な重い大気が漂っているのは地勢の故であろうけれど、那須や北軽井沢や赤倉や富士....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
。リヨン州では二五年をやや越すくらいであるが、ヴォー州では最短平均寿命、すなわち湿潤で不健康なただ一つの教区だけで見られる平均寿命でさえ、二九・五年であり、多く....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
じきに日本へいけるね」 しかし、渦は依然としておなじ方向へ巻いている。空気は、湿潤高熱、湯気のようである。けれど二人は、この熱気のために気が可怪しくなったので....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
強しています。夜は実に淋しくなります。蘆が生えた池州や舟の乗り捨てられたすがた、湿潤な雲の流れる空、私はなつかしい燈火の下でアウグスチヌスのいう Liebe o....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
また事実蟾蜍は谷にのみ住むものではなく、むしろ樹木の茂生して落葉の重なり腐った湿潤の地や、人家の床下などの暗いところに多く住んでいるので、したがってその名に特....
黒田如水」より 著者:吉川英治
び交い、水辺の危ないところほど、蛍が鞠のようにたかっていた。 だが、この辺は、湿潤な地で鼻を抓ままれても分らないほどな闇だった。池のなぎさは微かにわかるが、藤....