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「満員〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

満員の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
いた。しかし予《あらかじ》め電話をかけて打ち合せて置いたのにも関らず、一等の竈は満員になり、二等だけ残っていると云うことだった。それは彼等にはどちらでも善かった....
」より 著者:芥川竜之介
はずだった。僕はごみごみした町の中をやっと四谷見附《よつやみつけ》の停留所へ出、満員の電車に乗ることにした。「会わずにひとりいる時には」と言った、妙に力のない老....
片恋」より 著者:芥川竜之介
と》が振っている。「一度なんか、阿母《おっか》さんにねだってやっとやって貰うと、満員で横の隅の所にしか、はいれないんでしょう。そうすると、折角その人の顔が映って....
路上」より 著者:芥川竜之介
切符を買って来るから。」 俊助は独りで待合室の側の食堂へ行った。食堂はほとんど満員だった。それでも彼が入口に立って、逡巡《しゅんじゅん》の視線を漂わせていると....
少年」より 著者:芥川竜之介
た。彼の席だけはあったものの、自働車の中は不相変《あいかわらず》身動きさえ出来ぬ満員である。のみならず震災後の東京の道路は自働車を躍《おど》らすことも一通りでは....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
つまくら》に偕老《かいろう》の名や刻みたるべし。 馬車はこの怪しき美人をもって満員となれり。発車の号令は割るるばかりにしばらく響けり。向者《さき》より待合所の....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
が、我々は不自由な郊外生活を喜んで、毎日往復の時間を無駄にしても、釣革に垂下って満員の中に押し潰されそうになっても猶お交通の便利を心から難有がるほど呑気にはなれ....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
るのよ」 「なるほど。室内体操場で、バスケットボールでもやったらどうですか」 「満員つづきで、とても番が廻ってきませんわ」 「旦那さまをお相手に、室内で輪投げな....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
こは締切ったぞ。カワカミを持ってくるなら、明日の朝にしてくれ。室の中はカワカミで満員だ。連れてきたって、入りきれやしないぞ」 と、一人の捜索本部の役員が室の外....
暗号数字」より 著者:海野十三
イに起されて目がさめた。 まだ腰がふらふらと定まらない。洗面所へ行ってみると、満員だった。窓外は朝の山々や田畑がまぶしく光っていた。 車室へかえってくると、....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
朝の中に覚えよいような順に器械を列べて置く。夕方になると、聴衆はどんどんと来て、満員になる。遅く来た人達は階段の所に腰を掛けたり、大向うの桟敷の後方にまでも立つ....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
は。」 と蓋して、軽く笑う。津山の懐中の方が余程大きい。 「木戸へ差しかかると満員、全部売切れ申候だから、とにかく、連中で来て、一二度知ってるので、こちらに世....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
幸い、……いや推量のごとく、お久という人たちとは席が離れていた。もっともほとんど満員である。お悦と取ったのも、四人席を他と半ば分けて、歩板に附着いた出入に近い処....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
簡をさらけ出すようで、きみの前で言うのもお恥かしいがね、……さいわい夜だ、大して満員でもなさそうだから切符を買った。が、目的はただ一つなんだからね、(拳銃はまだ....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
いるのであろう。兎に角これも明治時代に変っていないことは確かである。川蒸汽の中は満員だった上、立っている客も少なくない。僕等はやむを得ず船ばたに立ち、薄日の光に....