満喫[語句情報] » 満喫

「満喫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

満喫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幸運の黒子」より 著者:海野十三
貯《た》めた財布のお陰で南伊豆《みなみいず》まで遠出をし、温泉気分と夫婦生活とを満喫することができた。 だが、東京に帰ってくると半平は重病になって、どっと床に....
白妖」より 著者:大阪圭吉
明るい自動車道を切り開き、昔風に言えば関銭を取って自動車旅行者に明快雄大な風景を満喫させようという趣向だった。だから南北約六|哩の有料道路は独立した一個の私線路....
天馬」より 著者:金史良
え田中が大村に案内されていないとしても、誰かに連れられてきっとこの界隈へ朝鮮色を満喫するために来ているに違いなかった。成るべくは大村君と一緒でないようにと……彼....
火薬船」より 著者:海野十三
なら、彼のあこがれている冒険味百パーセントの世界だ。彼は、当分この船で、スリルを満喫したいとかんがえた。 それだけではない、竹見をしてこのノーマ号に停まらせた....
外来語所感」より 著者:九鬼周造
くいかないことは事実である。 生活と密接な具体的関係にある言葉は雰囲気の情調を満喫していて他国語への翻訳が困難であるには相違ないが、それも程度の問題であって、....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
こともなく、善悪の判断などわかる筈もなかった。――相変らず私は、ある種のスリルを満喫していた。 そのうちに、踊りの稽古が、あまり派手好みでない母に、少々面倒に....
紫大納言」より 著者:坂口安吾
素足をつついた。泣きくれながら、本能的にあとずさり、すくみ、ふるえる天女の姿態を満喫して、しびれる官能をたのしんだ。 「とにかく、この山中では、打解けて話もでき....
淪落の青春」より 著者:坂口安吾
。 彼自身はそれらから無心に、全てを切り放して、彼自身の土民的なノスタルジヤを満喫すればそれでいゝのだ。 女は又ウインクして、じゃ、さよなら、と学校へ駈けこんで行った。 (未完)....
人生案内」より 著者:坂口安吾
に目をつぶってしまう。 人生案内はニセモノの快味に限るようだ。ニセモノの快味を満喫してきた虎二郎は、ホンモノに対しての人生案内の無力さをすでに痛感することを知....
虫喰い算大会」より 著者:海野十三
れて頭から湯気を出されることと思う。その代り十分骨折り甲斐のある虫喰い算の魅力を満喫せられることであろう。 なお、これらの答は、わざとつけてない。答を繰ってみ....
人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
蒸気を満したりする設備が不可能でもあったろう。玄宗と楊貴妃が温泉にひたって快楽を満喫したのも有名な話。日本は温泉の国で、湯泉場にドンチャン騒ぎは附き物であるが、....
アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
り、コオル・ド・バレエやバ・ド・ドウの男性美の豊さに驚喜し、リリストの花やかさを満喫し、恍惚として昔ながらの、若き血のほとばしる快感に満足しつつ、田村支配人の部....
香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
長倉、野口、阿波山、上流の烏山、黒羽まで、六月上旬から友釣りの快味を土地の人々が満喫していた。鮎の質は、久慈川ほどのこともないが、数が漁れるので人気を集めている....
釣った魚の味」より 著者:佐藤垢石
釣りは、主人が釣りそのものを楽しむということと共に、獲物の味を家族に満喫させるところに一層の興味がある。 ところが、獲物を釣り場に棄ててきたり、無....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
とした胸は、ついこのあいだカテリーナ・リヴォーヴナの不実な情人に、みだらな歓楽を満喫させたものに違いなかったが、今や彼女はほかならぬその胸の上で、じぶんのやるせ....