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満堂
「満堂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
満堂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外科室」より 著者:泉鏡花
い放てる、辞色ともに動かすべからず。さすが高位の御身とて、威厳あたりを払うにぞ、
満堂|斉《ひと》しく声を呑《の》み、高き咳《しわぶき》をも漏らさずして、寂然《せ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
き廊下を通り、笑い動揺めく声が波の様に聞えて居る大広間へ這入ろうとすると、此の時
満堂の電燈が一時に消えて全く暗《やみ》の世界となった、余も叔父も驚けばお浦も「ア....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
市長の金庫の前まで出てきた。動坂三郎は苦がりきって総監の行動を注視していた。 「
満堂の諸君。市長は昨夜深更、遂に自殺を遂げました――」 人々は思わず呀ッと叫び....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
。 『わっはっは!』 という猛烈な笑い声が若い会社員のてえぶるに爆発して、一時
満堂の注意をあつめる。かれらは「若い会社員」らしい、いわゆる「わいだん」を一しき....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
いかも知れないけれども、我ままもまた相当に困苦欠乏に堪える精神を養成するもので、
満堂数千の難民のなかで私が一番不平をいわないようだった。 私自身がそんな気持だ....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
つめて地中の一点に埋めてもよろしい。秘中の秘。アッハッハア」 サルトルの哄笑は
満堂を圧するものがあった。光秀も半平もさすがに声をのんでいる。すると天草次郎が小....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
のんだ。星玄坊主はいかめしくうちうなずいて、雲助の直立不動、胴間声で叫んだ。 「
満堂の淑女ならびに紳士諸君。加納五兵衛殿の死の瞬間、すなわち、不肖が叫び声をあげ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
に至るまでの緊張は、結論に至るまでの道程を表したものだ。もはや緊張は無用である。
満堂の人々は、他の総ての人が自分と同じ結論を得て同じ心に相違ないと信ずるに足る明....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
寺の本堂を朝々の静坐道場としておられたが、どんな寒い冬の朝でも道場は暗いうちから
満堂立錐の余地なく、後れたものは廊下の板の上に坐っていた。この朝の静坐が済んでか....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
を滅亡して快とするような了見の狭い者では有るまい」 謹聴謹聴の声が起る、やがて
満堂は水をうったごとくに静まり返る、彼は得意そうに説明を続ける。 「さて諸君、急....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
英国もいやになり候。 吾妹子を夢みる春の夜となりぬ 当地の芝居は中々立派に候。
満堂の閻浮檀金や宵の春 或詩人の作を読で非常に嬉しかりし時。 見付たる菫の花や....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
文学論は当時の女学生の耳には(恐らくは今の女学生にも)余りに高遠|深邃であって、
満堂殆んど耳を傾くるものが一人もないのに失望していくばくもなく罷めた。が、これも....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
中に出ずることなし。ゆえに、大祭日にみずから礼壇に上りて供養をなすに当たりては、
満堂随喜の涙にむせび、感泣の声四隣に聞こゆという。あたかもわが真宗信徒の、その法....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に至れば、五十人、百人の参拝者あり。もし、下等人の居住せる方面の寺院には、毎日曜
満堂の参詣ありという。当国は旧教をもって国教となすにもかかわらず、宗教の勢力実に....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
いる臨監の警部が注意する。聴衆は沸騰する。 「横暴! 」 「横暴! 」 の声が
満堂を揺るがす。 菊子嬢は聴衆を鎮めて、 「ただ今のは、中止ではありません。注....