満場[語句情報] »
満場
「満場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
満場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
よ狼狽して、為《せ》ん方を知らざりき。見物は呆《あき》れ果てて息を斂《おさ》め、
満場|斉《ひと》しく頭《こうべ》を回《めぐ》らして太夫の挙動《ふるまい》を打ち瞶....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
演説者が腰を掛けて話をするのはたぶんこの講師が嚆矢《こうし》であるかも知れない(
満場大笑)、しかしながらもしこうすることが私の目的に適《かな》うことでございます....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
で、柄《がら》にもなくシューベルトの子守歌を一とくさり歌ってきかせたときなどは、
満場《まんじょう》大喝采《だいかっさい》であった。だが、その温厚な大使も、僕にと....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
たが、昨夜の彼の醜態を思い出した途端に、およそ滑稽至極なものに見えた。――議席は
満場総立ちとなり、怒号と拍手と口笛と足踏みとで、まるで鼎の沸くような騒ぎだった。....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
というのに学生大会が開かれて、二年三年四年の全生徒は校長と運命をともにするという
満場一致の決議をした。 この騒ぎは学年試験を前に控えて一カ月ばかり続いた。そし....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
った司会者が、楽屋からとび出して来て、治明博士の前に進んだ。またもや割れるような
満場の拍手だった。 「先生。来会者たちは大感激しています。そして、姿を消した聖者....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
る事、桟敷へ狼を飼ったようです。(泣くな、わい等、)と喚く――君の親方が立女形で
満場水を打ったよう、千百の見物が、目も口も頭も肩も、幅の広いただ一|人の形になっ....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
われて、燭台の前でその怪談を話し始めると、私はだんだんに一種の妖気を感じて来た。
満場の聴衆はみな息を嚥んで聴きすましている。伴蔵とその女房の対話が進行するにした....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
もない台詞を叫んだ。そして観客に悪臭を覚られまいとした。 然し、続いて今度は、
満場を総立ちにさせたほどの出来事が起った。 と云うのは、レイアティズがハムレッ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
渡るのをきっかけに、おのおの賑やかなすて台辞で、しも手ですか、向って右へ入ると、
満場ただ祇園の桜。 花咲かば告げ むといいし山寺の…… ここの合方は、あ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
どの目ざましい大活動を演じたに相違ない。その証拠には、子供のわたしばかりでなく、
満場の観客もみな息をのんで舞台を見詰めているらしかった。俳優の名を呼ぶ声も頻りに....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
るハイカラに響いたので、当日はいわゆる文明開化の新らしがりがギシと詰掛けた。この
満場|爪も立たない聴衆の前で椿岳は厳乎らしくピヤノの椅子に腰を掛け、無茶苦茶に鍵....
「審判」より 著者:カフカフランツ
者はなかった。Kもその叫び声を問題にはしていなかったが、それでも元気づけられた。
満場の同意の喝采が起ることなどは今はもうまったく必要とは思っておらず、全員がこの....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
先立つ裁判手続きとをどう思われるか、おたずねしてみようではありませんか』むろん、
満場の拍手、全員一致の賛成ということになります。私はいちばん大きく拍手します。司....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ドレスは脚を蔽うにたりるだけの長さもなかった。「どう、淑女たち」と女王はいった。
満場、息を呑んでひっそりとなったなかを、彼女は、つとマリイ夫人の前に肉迫した。「....