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満帆
「満帆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
満帆の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ん》と下るのであります。道は勾配《こうばい》になっているわけではないが、さながら
満帆の春風を負うて、長江に柔艫《じゅうろ》をやるような気分の下に、醍醐へ下るので....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
起って修学旅行に出かけた小学生を多く殺しました。きょうはすっかり晴れて、うちでは
満帆を張りひろげたように白い洗濯物を干し、畑ではくさりかけている麦の手入れと始末....
「風景」より 著者:豊島与志雄
一本の鶴嘴が必要なのである。 二 広漠たる荒海の上を、数隻の船が、
満帆に風を孕んで突進する。帆船ながら、厳めしく武装されている。乗組の人々も、精気....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
した十五人の少年の力では、帆をまきおろすことはとうていできない。見る見るマストは
満帆の風に吹きたわめられて、その根元は右に動き左に動き、ギイギイとものすごい音を....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
覚めて、欧米文学の絢爛荘重なるを教えられて憧憬れていた時であったから、彼岸の風を
満帆に姙ませつつこの新らしい潮流に進水した春廼舎の『書生気質』はあたかも鬼ガ島の....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
やかなるも、シナ海のひろき、終日一物の目に触るるなし。 茫茫支那海、唯見水連遠、
満帆三伏風、 日沈暑威減、風転晩涼従、月下船南進、雲涯是呂宋。 (ひろびろと果て....
「三国志」より 著者:吉川英治
呉の陣営のうちに、姿をかくしてしまった。 孔明に別れて、船へ移ると、玄徳はすぐ
満帆を張らせて、江をさかのぼって行った。 進むこと五十里ほど、彼方に一群の船団....
「三国志」より 著者:吉川英治
すすんで行った。――そのあとについて、周瑜、程普の乗りこんだ旗艦の大躯も、颯々、
満帆をはためかせながら動いてゆく。 後陣として続いてゆく一船列は、右備え丁奉、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
と、お見せした。 後醍醐はそれに和歌を添えて、長年へくだされた。――時運の風を
満帆に孕んで、この天皇軍を、さらに都まで押し進めよと、それはなお長年へ宿命を負わ....
「アイヌ語学」より 著者:知里真志保
権威者たちのたたく景気の好い太鼓の音に送られて、賑々しく学界に船出して以来、順風
満帆、手痛い批判の嵐に遭遇することもなく、大正15年には増補改訂第三版を出し、さ....