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「満廷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

満廷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
《たけたか》き裁判長は入り来たりぬ。二名の陪席判事と一名の書記とはこれに続けり。満廷粛として水を打ちたるごとくなれば、その靴音《くつおと》は四壁に響き、天井に※....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
うそうこれへ出ませい……」 しいんと呼びたてた声がこだまのようにひびき渡って、満廷、水を打ったようでした。春もここばかりは春でない。――日ざしもまどろむ昼さが....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
その時被告は証人に貞を暴力を用いて犯した事を自白したか」 此返辞は重大である。満廷固唾を呑んで牧師の身辺を凝視した。 支倉は終始一貫と云って好い程暴行凌辱を....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
うとも想像したという。 オランダ人らの演戯は約二時間も続いた。彼らは将軍はじめ満廷の慰みのために種々な芸を演じたが、さすがに使節ばかりはその仲間には加わらなか....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
欲し給わば、須《すべか》らくまず臣に死を賜わるべし。 と答え終って、神色自若。満廷の群臣色を喪《うしな》い汗を握る暇もなく、皇帝震怒、万雷一時に激発した。 ....
浴槽の花嫁」より 著者:牧逸馬
しつか》えあるまいと彼はこの悲劇に不謹慎《ふきんしん》なユウモアを弄《ろう》して満廷を苦笑させた。これは後日のことで、とにかく、こんなことがないように、医者にも....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
ス王の鼻は面倒臭そうに唯一言、 「弁疏無し」 と答えました。 この態度を見た満廷の諸神は、皆驚きの評を発しました。今まで死後の裁判に引き出されて、怖れ戦きつ....
それに偽りがないならば」より 著者:宮本百合子
八日の第二回公判廷には、ひとしおの緊張がみなぎった。 去る四日の公判第一日に、満廷の公訴取消しの要求に対して、一言も発せずじまいだった検事団は、この日の公判廷....
源氏物語」より 著者:紫式部
と見られたのである。それに帝の御|寵愛《ちょうあい》もたいしたものであったから、満廷の官人がこの后に奉仕することを喜んだ。道理のほかまでの好意を持った源氏は、御....
」より 著者:秋田滋
わたくしをご処刑願います」 異様な沈黙が法廷を重くるしく圧しつけているらしく、満廷、水をうったようにシーンと静まり返っている。群集はまだ何ものかを待っている容....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
あの女が美しい?」 「美しかあないかね?」 「ないね。」 「だって、君、あの女は満廷讃美の的だったぜ!」 「満廷讃美の的がなんだい! 誰がオールド・ベーリーを美....
岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
渤海国の使者が来て、国書を奉呈したのであった。 国書は渤海語で書かれてあった。満廷読むことが出来なかった。 玄宗皇帝は怒ってしまった。 「蕃書を読むことが出....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
のあまり、シナ革命の一絶を賦して、同乗梁振華氏に贈る。 霹靂夜来天地轟、黄竜失墜満廷驚、暁窓傾、四百余州革命声。 (はげしくなる雷が夜どおし天地にとどろき、皇帝....
彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
ちを以て、熱と涙の中から彼は道子との関係を述べ、道子に対する苦しい思いを打明け、満廷の人々をして、その熱情を以て動かしたのです。勿論多くの人々は眉を顰めた事でし....
大岡越前」より 著者:吉川英治
へ眼を向けた。しずかな、穏やかな眼であった。 おそらくはこの一瞬のかれの眼を、満廷の者は、たれもみな多分な不安と危惧をもって、見まもったにちがいない。――ここ....