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「満腔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

満腔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
テェルを軽蔑《けいべつ》している。若し理性に終始するとすれば、我我は我我の存在に満腔《まんこう》の呪咀《じゅそ》を加えなければならぬ。しかし世界の賞讃《しょうさ....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
》まり、忍野氏の帰るを待たんとするよし。吾人は貞淑《ていしゅく》なる夫人のために満腔《まんこう》の同情を表《ひょう》すると共に、賢明なる三菱《みつびし》当事者の....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
ことができるように溜《た》めて往かんとする欲望が諸君のうちにあるならば、私は私の満腔《まんこう》の同情をもって、イエス・キリストの御名《みな》によって、父なる神....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
らいにしてやらあ」 口を極《きわ》めてすでに立ち去りたる巡査を罵《ののし》り、満腔《まんこう》の熱気を吐きつつ、思わず腕を擦《さす》りしが、四谷組合と記《しる....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
れを正面から実行した点につき、この方面の作歌に一つの基礎をなした点につき、旅人に満腔の尊敬を払うて茲に一首を選んだのであった。 旅人の妻、大伴郎女の死した時、....
「二銭銅貨」を読む」より 著者:小酒井不木
「新青年」の編輯者が、かかる隠れたる作家を明るみへ出そうと企てられたことに自分は満腔の賛意を表するのである。 芸術の鑑賞と批評――などと鹿爪らしく言うのも烏滸....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
啼と題したり。披けば紅葉いくひらか机上に翻りぬ。葉の上に題したる詩に、只知君報国満腔気、泣対神州一片秋の句ありき」としてあり、十八年九月十三日の条にも、「朝家書....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
らずに偶然文人の素地を作っていた。時も時、学校を罷めて何をするという方角もなく、満腔の不平を抱いて放浪していた時、卒然としてこの文学勃興の機運に際会したは全く何....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
を解せず、主として実物上よりその説を立てられたる非再建論者諸君に対して、かえって満腔の敬意を表せんとするものである。 法隆寺が天智天皇九年庚午の歳四月三十日の....
」より 著者:神西清
力をする覚悟だ。しかし君の頭脳と心情……心情とに」と私は繰り返して、「対する僕の満腔の敬意にもかかわらず、僕は救済事業の組織というような困難複雑しかも責任の重い....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
敬意を表し、特に蓄蔵の豊富なる材料の借覧を許されたる碓井小三郎君の好意に対して、満腔の感謝を呈する。 以下掲載の諸編は本編説くところを補い、その各部にわたって....
「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
救済とか、改善とかの為に献身的に尽力せられる当局者や、多くの志士仁人に向かって、満腔の敬意を表する。しかし救済すべく、改善すべきものは彼ら以外にも多い。また彼ら....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
遠慮がいりましょう。世人はすべからくよく部落の実際を知って、その気の毒なる境遇に満腔の同情心を起し、彼らをしてここに至らしめたことについて、深く反省するところが....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
一線決戦主義が最も合理的である。殊に当時猛訓練と軍事学の研究に依って軍隊の精鋭に満腔の自信を持っていたフリードリヒ大王には世人を驚嘆せしむる戦功を立てしめたので....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
葉の積った陰湿な崖腹に白根葵の大きな花を見出した時には、爪先に引懸った小枝と共に満腔の不平をさらりと水に流して仕舞った。 白根葵の咲いた崖腹を一町|許行くとま....