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「満足感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

満足感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
さようなら」より 著者:田中英光
き芳しく匂う河岸、青い川面に白いボオトを浮べ、自分の心や身体を吸いよせ、飽和した満足感で揺り動かし、忘我の陶酔に導いてくれる、そのひとを前にし、軽くオオルを動か....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
じめて豹一が新しくはいった見習記者であることに気がついた途端、編輯長はなにかしら満足感を覚えた。入社試験の成績が風変りに良かったことが思い出された。見れば美少年....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
。胸中に何のこだわるところもなくなった。これでもう僕も、完成せられたという爽快な満足感だけが残った。 5 晩秋の澄んだ青空をアメリカの飛行機が旋回し....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
画固有なリアリズムがあるのであって、同時にそこに他の芸術の真似の出来ない大衆的な満足感を与えるものが横たわっているというのである。之は映画がもつべき本来の劇的又....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
文字どおり鬼に金棒の強味を加えたわけであった。ヒルミ夫人は自らも過不足なきまでに満足感に達し、万吉郎はいよいよ強豪ぶりを発揮していった。しかも万吉郎の心の隅には....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
手首は骨がポキンと折れてしまいそうに痛んだ。その痛みが、彼女の身体に、奇妙な或る満足感に似たものを与えた。お千は引摺られるようにして、でも嬉しくもなさそうに眼を....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
の類である。この第一の場合は一般に現実からの逃避の意識を満足させるもので、逃避的満足感は陶酔的なものから覚醒的なものに及んでいるが、覚醒的なものも「いい気な」「....
娯楽論」より 著者:戸坂潤
、ただの社会の隙間の穴埋めにあるのではない。勤労生活に於ける労作成就の怡びや生活満足感や生活の一般的享楽は、どれもまず娯楽というものを、平俗な併し確実な入口とし....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
の時はもう後の祭。坊介は、白衣の男を見つめて、大胆不敵にニヤリと笑った。芸術家の満足感であった。彼はライカをポケットへ収めた。 「アバヨ」 サッと身をひるがえ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
いうことである。うぶな少年にはついぞ経験せぬ心的状態である。それは聡明な鴎外が不満足感を洩らすために、たまたま気をぬいて見せた、いわば精神的に贅沢なあそびの態度....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
は言う迄もない。ただこの時は私にとっては善いものが悪いものを懲らしめているという満足感があった。それが宗教的の至聖なものでないにしても、ともかくも私には正義的な....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
な行為も実は傍観する外はない結論となります。 結局、妻が……現在の生活に一種の満足感から、夫の反省を求むる言葉など顧みず再考の色もないとしたら、夫は只泣き寝入....
健康と仕事」より 著者:上村松園
ためにだけ生きつづけて来たようにも思える。 それがまた自分にとってこの上もない満足感をあたえてくれるのである。 昭和十六年の秋に展覧会出品の仕事を前に控え、....
アラン島」より 著者:片山広子
に乾されることを喜んでゐるらしくみえた。これだけあれば相当ながく食べられると思ふ満足感が、イモたちが喜んでゐるやうな錯覚とつながつてゐるのかもしれない。 日に....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ベスの誇らかな心意気は、突然にも崩れた。もはやヨーロッパも白宮殿も、彼女になんの満足感を与えるものではない。 彼女は日に日に気むずかしく、疑い深く、荒々しくな....