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満面
「満面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
満面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
ですが、今度こそはご安心なさるでしょう。そう思うだけでも愉快です」
王氏も得意
満面でした。
「今日《きょう》は煙客先生や廉州《れんしゅう》先生も来られるはずで....
「或る女」より 著者:有島武郎
家の内に幾人も客を迎える物珍しさに有頂天《うちょうてん》になっていたようだった。
満面に偽りのない愛嬌《あいきょう》を見せながら、丁寧にぺっちゃんとおじぎをした。....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
なく、意《こころ》を注ぎて馬を労《いたわ》り駈《か》けさせたり。 怪しき美人は
満面に笑《え》みを含みて、起伏常ならざる席に安んずるを、隣たる老人は感に堪えて、....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
むか》える。 「じゃ、御免なさい。」 「どうぞこちらへ。」と、大きな声を出して、
満面の笑顔を見せた平吉は、茶の室《ま》を越した見通しの奥へ、台所から駈込んで、幅....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
うさに台所へ現われた、二十七八のこざっぱりしたのは主税である。 「へへへへへ、」
満面に笑を含んだ、め組は蓮葉帽子の中から、夕映のような顔色。 「お早うござい。」....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
に散らばって油断なく見張っていろ」 中へ踏みこむことを指名された部下たちは得意
満面、にやりと笑った。 表と裏とから二手に分れて入った。烏啼の眼の前には戸締り....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
バノフ大使も、後から立って、同じことを誓った。 リット提督は、それをきいて喜色
満面、バネ仕掛のように椅子からとびあがって、両巨漢と、いくたびもかたい握手をかわ....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
、同時に吻々と吹き出しける。 蝦蟇法師は※りて、歓心を購えりとや思いけむ、悦気
満面に満ち溢れて、うな、うな、と笑いつつ、頻りにものを言い懸けたり。 お通はか....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
女が時々神経に異変を来して、頭あたかも破るるがごとく、足はわななき、手はふるえ、
満面|蒼くなりながら、身火烈々|身体を焼きて、恍として、茫として、ほとんど無意識....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
い。」 「ええ!」 「僕の目が潰れたんだ。」 言いさま整然として坐り直る、怒気
満面に溢れて男性の意気|熾に、また仰ぎ見ることが出来なかったのであろう、お雪は袖....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
内へ漲り出した。元来|咽喉を害していた私は、手巾を顔に当てる暇さえなく、この煙を
満面に浴びせられたおかげで、殆息もつけない程|咳きこまなければならなかった。が、....
「取舵」より 著者:泉鏡花
別るる時、乗客は再び観音丸と船長との万歳を唱えぬ。甲板に立てる船長は帽を脱して、
満面に微笑を湛えつつ答礼せり。艀は漕出したり。陸を去る僅に三|町、十分間にして達....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
繋ぐ 大家終に団欒の日あり 名士豈遭遇の時無からん 人は周南詩句の裡に在り 夭桃
満面好手姿 丶大 名士|頭を回せば即ち神仙 卓は飛ぶ関左跡|飄然 鞋花....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
うのはやはり昔し取った杵柄の若辰の物真似であったろう。「謹厳」が洋服を着たような
満面苦渋の長谷川辰之助先生がこういう意表な隠し芸を持っていようとは学生の誰もが想....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
って来た。 「イヤ、実に面白い作で、真に奇想天来です。」と美妙も心から喜ぶように
満面笑い頽れて、「近来の大収穫です。学海翁も褒めちぎって褒め切れないのです。天才....