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溂
「溂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
溂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
った。が、二人の友だちに比べると、顔も一番美しければ、容子《ようす》もすぐれて溌
溂《はつらつ》としていた。さっき竹籠を投げ捨てながら、危く鳩を捕えようとしたのも....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
極めていたか!
三 益軒の知らぬ新時代の精神は年少の書生の放論の中にも如何に溌
溂《はつらつ》と鼓動していたか!
或弁護
或新時代の評論家は「蝟集《....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
ういう実際の社会生活上の問題を云々《うんぬん》しない事を以て、忠実なる文芸家、溌
溂《はつらつ》たる近代人の面目であるというように見せている、或いは見ている人はな....
「赤外線男」より 著者:海野十三
男」というからには、ダリア嬢では性別が違っている。男が女装しているものとはあの溌
溂たる肉体美から云って信じられない。殊に課長がやられた日には、眼を悪くしていた。....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
木々高太郎氏来宅。久振りに将棋を囲む事四回、三勝一負。 この友は益々公私共に溌
溂活躍中。 一月十日 ◯新聞に、マ司令部のスポークス・マンと新聞記者との省内会....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
件の終局が、その一点にかけられている。もし、法水の推断が真実であるならば、あの溌
溂たる娘は、ファウスト博士に擬せられなければならない。それから、伸子の室に行くま....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
四月五日、秀吉は本営を箱根から、湯本早雲寺に移した。山の中とはことかわり、溌
溂たる陽春の気は野に丘に満ち、快い微風は戦士等の窶れた頬を撫でて居る。ともすれば....
「大脳手術」より 著者:海野十三
真白な老人だ。しかし老人くさいのは毛髪だけで、あとの全身は青春そのもののように溌
溂としている。尤もお手のものの移植手術で修整したんだろうが……」 「呆れた、呆れ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
には、ウラニウム以上の重物質はない。しかし他の天体には、これ以上の重物質、生気溌
溂というか、ぴんぴん生きている物質があるのではないかと思う。そういう高等金属は、....
「流線間諜」より 著者:海野十三
いずれも若く、そして美しかった。男よりも、どっちかというと若い女性が多かった。溌
溂たる令嬢、麗しい若奥様、四、五人づれで喋ってゆく女学生、どこかで逢ったことのあ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
は、墓場へ向う路のように淋しく憂鬱だった。 カリフォルニヤの明るい空の下で、溌
溂と動いている少女の姿が、世界じゅうの無数のスクリンの上で、果物と太陽の香りを発....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
節の、清々しい呼吸が感ぜられた。春にだらけた人々の心も、一時ピンとひきしまり、溌
溂たる元気をとりかえしたが一人寂しいのは平八老人で、この時までも鼓の音を、耳にす....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
はなくて、その底にすさまじい覇気を持ち、熱を持ち闘争性を持ち、革命心を持った、溌
溂とした声であった。
あの広い深い大洋をめざして、大渓谷を流れて行く、一筋の谷....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
を持たなければならない。其の思想と感情との已むに已まれぬ表白としての、其の若い溌
溂とした生命力の発現としての、そして又、老い傾いた旧い社会に対する戦闘の機関とし....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
ドラが初めて日本の父の家に帰って来たのも丁度『経世偉勲』が発行されて若い学堂の溌
溂たる意気が青年の思慕の中心となった頃であった。が、日本へ帰ったばかりのテオドラ....