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源氏名
「源氏名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
源氏名の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
散らされて、その上に水色|縮緬《ちりめん》の病い鉢巻をだらりと垂れていた。自分の
源氏名《げんじな》の八橋にちなんだのであろう、金糸で杜若《かきつばた》を縫いつめ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
請けの主の絹商人とは同腹でないことをまず知りましたので、それならばと思いながら、
源氏名薄雪といったそれなる女が、はたしてどんな人がらのものであるか、その点から観....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の地震で、花川戸のお葉も死にました。お磯は吉原へ行って、逢染《あいそめ》とかいう
源氏名で勤めていたそうですが、これも地震で潰されたと云うことでした」 「みんな運....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
今でも科学者はやはり水素とか酸素とかテルリウムとかウラニウムとか、言わば一種の「
源氏名」のようなものをつけて平気でそれを使っているのである。人間味をできるだけ脱....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
ほどの星の宵に、街灯の光りほの暗い横丁をゆく時、「新吉原ァ細見。華魁のゥ歳からァ
源氏名ァ本名ゥ職順※まで、残らずゥわかる細見はァいかが――」 その声を最も多く....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
領地の上流の家では厩の間ごとに住みいる馬の名を掲げその札今に残るあり、女郎部屋の
源氏名札も同じく残る。このついでに言う、英船長サリスの『平戸日記』慶長十八年(一....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
る押丁あがりの看守のごときは、その男は今でもまだ看守をしているが、その姓が女郎の
源氏名めいているところから、夜巡回に来て二階の梯子段をかたかた昇って行く時なぞに....
「浚渫船」より 著者:葉山嘉樹
私は呶鳴りかえした。 「何て鬼だ」 「船長ってえ鬼だったよ」 「大笑いさすなよ。
源氏名は何てんだ?」 「
源氏名も船長さ」 「早く帰れよ。ほんとの船長に目玉を食う....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、兵馬が好んで用うる変名であり、東雲というのは、吉原のなにがし楼かにいる遊女の
源氏名に違いない。お松はそれが悲しくもなり、腹立たしくもなって、その手紙を引裂い....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
きか銀弥と書くべきか、よくわからないが、ともかくもこれがこの邸における風間光枝の
源氏名であった。――旦那様は、呶鳴りつけるつもりだったらしいが、新任の楚々たるモ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぶに様をつけて敬意を表する以上は、芸妓にもそれを適用しなければならないし、遊女の
源氏名にも無論、様をつけて呼ばなければならない理窟になる――それでは、知らぬ面《....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
れども、若い頃には、玉屋山三郎の火焔宝珠と云われた程の太夫であった。しかも、その
源氏名の濃紫と云う名を、万延頃の細見で繰ってみれば判る通りで、当時唯一の大籬に筆....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
ていたんだよ。それに、お前さんのようなのを小蒸気と云ってね。『|水精の蕊』なんて
源氏名があったものねえ」 「じゃ、そのとき姐さんは、なんという名だったの」 「私....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
」 「大きに、承知。……それはいいが、オイオイではいかにもおかげがねえ。あんたの
源氏名は、いったいなんてえんです」 腰元は、ほほほと笑って、 「小波《さざなみ....