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溜まる
「溜まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
溜まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「メデューサの首」より 著者:小酒井不木
てきて、結局はだんだん重って死んでしまいます。しかし、血管が圧迫されるために水が
溜まるのですから、血液の流通をよくするために、手術によって腹内の血管と腹壁の血管....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
行李などの一部分がチラ、チラッと光って、消えた。――足元に光が顫えながら一瞬間|
溜まる、と今度は賄のドアーに幻燈のような円るい光の輪を写した。――次の朝になって....
「眼を開く」より 著者:夢野久作
一と冬をその中で過す準備を整え、毎日毎日ペンを走らした原稿紙が十枚十五枚と分厚く
溜まるのを、吝ん坊が金を溜めるような気持で楽しんでいた。 もちろん村役場に寄留....
「食堂」より 著者:森鴎外
様子で、また言い出した。 「あんな連中がこれから殖えるだろうか。」 「殖えられて
溜まるものか」と、犬塚は叱るように云って、特別に厚く切ってあるらしい沢庵を、白い....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
いのでございますわ。何故と申しますにそうおっしゃる時いつもお姉様のお眼の中に涙が
溜まるではございませぬか。偽りの証拠でございますわ」 こう云うと久田姫は眼を抑....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
かいうのが此の女の誇で、後になっても屡く「角帽姿はまた好いんだもの。」と口に水の
溜まるような調子で言い/\した。 すると、お宮は暫時して、フッと顔を此方に向け....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
時は胃痛下痢を発する事を恐れて、忍んで藻岩村に向う。此間廿町ばかりなるも、泥水の
溜まるあり、或は道路の破む処ありて歩行甚だ究するも、漸く二宮家に着するを得たり。....
「やもり物語」より 著者:寺田寅彦
うた十八、九の娘と、外には真黒な猫が居るようであった。亭主と息子は時々店の品物に
溜まる街道の塵をはたいている。主婦や娘は台所で立働いているのを裏口の方から見かけ....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
小学校の校長が東京土産に買って来て児童に見せ見せしたものであるから、私は小遣銭が
溜まると此処に来てその英雄の写真を買いあつめた。 そういう英雄豪傑の写真に交っ....
「冬の王」より 著者:森鴎外
」 「わたくしの外には誰もいません。」 己はぞっとしてエルリングの顔を見た。「
溜まるまいじゃないか。冬寒くなってから、こんな所にたった一人でいては。」 エル....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
いう評議だよ。牛肉屋の二階でビフテキを食べるように五人前もお更《かわ》りをされて
溜まるものか。ビフテキといえば中川君、君の話を聞いてからランという処を買うが大層....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
しょう。宅なんぞではテンピへ火を載せた切りで打捨《うっちゃ》っておきますから灰は
溜まる、火は弱くなる、何分間で出来ると伺《うかが》ったものもなかなかその通りに出....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
アガアテ婆あさん。厭だよ。あっちへおいで。あんな魔法|使と
往来を一しょに歩いて
溜まるもんかね。
聖アンドレアスの晩に、わたしの御亭主になる人を
見せてくれたに....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
み分けにさえできたものが、現在はじきに古くなってしまって、不断着にもならぬものが
溜まるから、それを何とかして仕事着に着ようとするのである。私などの住む附近の田舎....