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「溟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

溟の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
さては飛騨山脈が、プラチナの大鎖を空間に繋いだように、蜿蜒《えんえん》として、北《ほくめい》の雲に没している、眼を落すと、わが山麓には、富士八湖の一なる本栖《....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
直さず彼の頭脳が不透不明《ふとうふめい》の実質から構成されていて、その作用が暗憺濛《あんたんめいもう》の極に達しているから、自然とこれが形体の上にあらわれて、....
野分」より 著者:夏目漱石
不景気なんだろうよ」 「だろうよじゃ困りますわ。どうか出来ないでしょうか」 「南堂《なんめいどう》へ持って行った時には、有名な人の御序文があればと云うから、そ....
カーライル博物館」より 著者:夏目漱石
の杖をついて下宿の方へ帰る。帰る時必ずカーライルと演説使いの話しを思いだす。かの濛《めいもう》たる瓦斯の霧に混ずる所が往時この村夫子《そんぷうし》の住んでおっ....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
げた。 「石段に及ばぬ、飛んでござれ。」 「はあ、いまさらにお恥かしい。大海|蒼に館を造る、跋難佗竜王、娑伽羅竜王、摩那斯竜王。竜神、竜女も、色には迷う験し候....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
御|清穆奉賀候。さて先般来当熊本人常松|迂巷なる人当市『九州日々新聞』と申すに紫吟社の俳句を連日掲載するよう尽力致しなお東京諸先俳の俳句も時々掲載致度趣にて大....
手長と足長」より 著者:喜田貞吉
あリ狼山に居て好んで貝子を食ふ。臂肘甚だ長く、屡長臂を山巓に伸べて数千の貝子を東の中に撮り、其の子を嚼ひ、殻を茲の地に棄つ。委積して丘の如し。郷人其の神を称し....
西航日録」より 著者:井上円了
するの思いをなす。ただ清流に乏しきを遺憾とするのみ。ときにまた一作あり。 船泊南第一関、連檣林立幾湾湾、晩雷送雨天如洗、涼月高懸赤道山。 (船は南の果てにある....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
南アフリカ人と両方に相分かれ、綱引きの大競争をなし、豪州人の勝利に帰す。 日落南風未行。 (日が沈んで南の果てに風はまだ起こらず、汽船の吐き出す煙もまっすぐに....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
ることや、珪次の学費の補助のことや、感傷や遠慮を抜いた実質的な相談をしました。蒼として暮れかかる松林の上の空に新月が磨ぎ出された。一々私の相談を聞き取って確実....
私本太平記」より 著者:吉川英治
て御簾のうちの御気色へ、思わずうごいたほどである。 しかし、そこも龍淵のごとくとしていた。しばしは何の御諚もなかった。そしてただあの大きなおん目を凝らして、....