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滄海
「滄海〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
滄海の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「嬌娜」より 著者:田中貢太郎
いたいな」 と独りごとのように言ってから、壁の方を向いて詩句を吟じた。 「曾て
滄海を経て水たりがたく、巫山を除却してこれ雲ならず」 公子は孔生の心のあるとこ....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
のをば思わずして、わずかにわれを持したるなりき。この国家の大事に際しては、渺たる
滄海の一|粟、自家川島武男が一身の死活浮沈、なんぞ問うに足らんや。彼はかく自ら叱....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
あり、周囲三万里、巨蛇これを繞り三周するを得、蛇ために長九万里、蛇この上におり、
滄海《そうかい》に飲食す〉。十六年ほど前アンドリウスはエジプトで長六十フィートな....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
しく燐を含めりとか。壮陽の説も丸啌《まるうそ》でないらしい。したがって尾閭禁ぜず
滄海《そうかい》竭《つ》きた齶蠅《がくよう》連は更なり、いまだ二葉の若衆より※《....
「連環記」より 著者:幸田露伴
っても、双方共都合のよいことであったから寂照は母の意を問うた上で出ることにした。
滄海波遥なる彼邦に吾が児を放ち遣ることは、明日をも知らぬ老いた母に取っては気の楽....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
して、共に計りて、底つ下に国や無からんとのり給ひて、廼ち天の瓊矛を指しおろして、
滄海を探ぐりしかば是に獲き。その矛の鋒より滴る潮|凝りて一つの島と成れり。※馭盧....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いま》だ虎嘯《こしよう》せざりしとき) 破産不為家(産を破り家を為《をさ》めず)
滄海得壮士(
滄海《そうかい》に壮士を得《え》) 椎秦博浪沙(秦《しん》を椎《つい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
涯《かぎ》りのない海です。 海はいつも同じようなことを教える。渺《びょう》たる
滄海《そうかい》の一粟《いちぞく》、わが生の須臾《しゅゆ》なるを悲しみ、と古人は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
|成瀬隼人正《なるせはやとのしょう》が父の遺命によって建立の永代「浜の常夜燈」。
滄海《そうかい》のあなたに出船入船のすべてにとって、闇夜の指針となるべき功徳《く....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
残怨日高《ざんえんひだか》の夜嵐《よあらし》といったような趣《おもむき》を、夜の
滄海《そうかい》の上で、不意に見せられた時には、獰猛《どうもう》なる海女《あま》....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
には、要島という島に成っていて、江戸名所図絵を見ても分る。此地眺望最も秀美、東は
滄海漫々として、旭日の房総の山に掛るあり、南は玉川混々として清流の富峰の雪に映ず....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
」 とモコウがてつだいながら、鼻をヒョコつかせた。 「違うよ、あれは桑田変じて
滄海となるだよ」 と善金がまじめな顔でいった。一同が笑った。 洞に帰ったかれ....