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「滅ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

滅ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
たことだろう。一人のシェークスピアが栄えた背後に、幾人の群小戯曲家が、無価値な、滅ぶるにきまっている戯曲を、書き続けたことだろう。一人のゲーテが、ドイツ全土の賞....
真田幸村」より 著者:菊池寛
けを借らん。天正十三年以来豊家の恩顧深し、石田に味方するこそ当然である。家も人も滅ぶべく死すべき時到らば、潔く振舞うこそよけれ、何条汚く生き延びることを計らんや....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
たします。 善鸞 いいえ。私は一人の悪魔としてあなたの前に立っているのです。私は滅ぶる運命を負わされているのです。信ずる事のできない呪われた魂をあわれんでくださ....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
時代の風俗や、欠点、特徴なぞを最も誇張したもの、そうした作品は風俗の変化とともに滅ぶのである。 以上のごとく、不偏普及的な「ユーモア小説」が要求されながら生命....
俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
日本人にとっては俳諧が栄えるか栄えないかはもっと重大の意義をもつであろう。俳諧の滅ぶる日が来ればその時に始めて日本人は完全なヤンキー王国の住民となるであろう。俳....
十二支考」より 著者:南方熊楠
水に陥った。天神これを見て「なべて世の愚者が衆愚を導びかば、井戸の月救う猴のごと滅ぶ」コラサイと唄うたと出《い》づ(英訳シーフネル『西蔵《チベット》譚』三五三頁....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
調子のようなものである。いなむしろ魂を支えている法則である。それをなみすれば魂は滅ぶのである。ある種類の芸術家には人生の事象に対するとき、善悪を超越して、ただ事....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
親、陸奥守に任ぜらる……その孫|武蔵に住み相模扇ヶ谷に転ず、上杉家に仕う、上杉家滅ぶるにおよび姓を扇に改め後|青木に改む、……青木竜平――長男|千三……チビ公と....
南地心中」より 著者:泉鏡花
いて転がる中に、淀君をはじめ、夥多の美人の、練衣、紅の袴が寸断々々に、城と一所に滅ぶる景色が、目に見える。……雲を貫く、工場の太い煙は、丈に余る黒髪が、縺れて乱....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
いわず、臼といわず、枕といわず、行燈といわず、一斉に絶えず微に揺いで、国が洪水に滅ぶる時、呼吸のあるは悉く死して、かかる者のみ漾う風情、ただソヨとの風もないので....
変な男」より 著者:豊島与志雄
と悪とが相対的のものである以上は、善い感情と悪い感情とは相対的なものです。一方が滅ぶれば他方も滅んでしまいます。両方を強く燃え立たして、ただどちらに就くかだけが....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
か。カトリック教は、その血縁のもっともすぐれた人々を、少しも保護しようとはせずに滅ぶるに任している。魂の底からして信仰してる人たち、神を守るために一生をささげて....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
るかは、ただ流行の気まぐれや流行に乗ずる人々の気まぐれによるのみである。優秀者を滅ぶるに任したりあるいは途轍もない報酬を与えたりする社会こそ、実に奇怪なものと言....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ごとく暴挙によって滅び、あるいはイギリスが将来失墜するであろうごとく破産によって滅ぶるであろう。そして世界は、その死滅と失墜とをただ傍観するのみであろう。なぜな....
太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
、到底軽々しく決行し得らるる問題ではない、されば聴衆の内には、すでに「無為にして滅ぶ」「吾らはただにその生命ばかりでなく、祖国否天賦の大塊をも破滅せらるるのか」....