滑り込む[語句情報] » 滑り込む

「滑り込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

滑り込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
泣虫小僧」より 著者:林芙美子
んだ。 深夜になると、何台も自動車が帰って来るようで、ギイッと階下の車庫の中へ滑り込む自動車のブレーキの音がしていた。啓吉は色々な夢を見た。 「この子は薄目を....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
士の脱いだものを始末しながら、ベチャベチャ喋っている隙に、笠神博士はそっと寝室に滑り込むことが出来る。そして、雑誌から写真版を引ちぎって、部屋を出て抜き足さし足....
博物誌」より 著者:岸田国士
が、鳥の羽や、鳥の糞や、葡萄の葉や、わらくずなどの浮んでいる泥水の中へ、そのまま滑り込む。ほとんど姿が見えなくなる。 彼女は待っている。もういつでもいい。 ....
夜汽車」より 著者:牧逸馬
しくなく、針など赤く錆びているその時計をフリント君が手の裡に調べていると、汽車は滑り込むように、眠っているスクラントンの停車場へ止まった。 「色々有難うございま....
魔都」より 著者:久生十蘭
ごろ、こんな風に敷き込まれたことがわかる……。それにしても、紙がひとりで畳の裏へ滑り込むはずはないから、それを敷き込むとすれば、どうしたって畳を持ち上げなければ....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
、車寄せの大玄関もある幽邃な庭園が紫折り戸の向うに、広々と開けている。車が玄関へ滑り込むと、並んでいた大勢の女中が一斉に小腰を屈める。 「早速先生が、お訪ね下さ....
それから」より 著者:夏目漱石
で充分用が足りたのである。が、其所《そこ》に、甲の位地から、知らぬ間に乙の位置に滑り込む危険が潜んでいた。代助は辛うじて、今一歩と云う際《きわ》どい所で、踏み留....