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滑川
「滑川〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
滑川の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
のほうだけがへの字を描いてぼんやりと空に浮かんでいた。
二人《ふたり》はいつか
滑川《なめりがわ》の川口の所まで来着いていた。稲瀬川《いなせがわ》を渡る時、倉地....
「運命論者」より 著者:国木田独歩
姿を見るのは稀《まれ》なのである。 或日《あるひ》自分は何時《いつも》のように
滑川《なめりがわ》の辺《ほとり》まで散歩して、さて砂山に登ると、思《おもい》の外....
「星あかり」より 著者:泉鏡花
の音が聞えて来た。 浜の方へ五六間進むと、土橋が一架、並の小さなのだけれども、
滑川に架ったのだの、長谷の行合橋だのと、おなじ名に聞えた乱橋というのである。 ....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
ね) 裸川 鎌倉山の秋の夕ぐれをいそぎ、青砥左衛門尉藤綱、駒をあゆませて
滑川を渡り、川の真中に於いて、いささか用の事ありて腰の火打袋を取出し、袋の口をあ....
「おにおん倶楽部」より 著者:林芙美子
大木繁、
滑川浩太郎、片貝巖、奧平善一、これだけが、おにおん倶樂部のメンバアである。 お....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
気なふうだったが、暮れおちると、ダレて投げだしにかかった。 澗のうちを洗って、
滑川《なめりかわ》の近くから外海《そとうみ》へ出て行く早い潮の流れがある。二日も....
「活人形」より 著者:泉鏡花
て時刻になりしかば、終汽車に乗り込みて、日影ようよう傾く頃、相州鎌倉に到着なし、
滑川の辺なる八橋楼に投宿して、他所ながら赤城の様子を聞くに、「妖物屋敷、」「不思....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
い。しかし、ふたりを乗せた駒音は、愉しむごとく、トボトボ行く。――宝戒寺の並木、
滑川の水音、大蔵への道はだんだんに暗かった。 「のう登子。今日ぞ、そなたも、あき....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
者のように、高氏の胸中図は、よく読みぬいていたのである。 別れた高氏は、やがて
滑川のほとりで待っていた郎党をつれ、大蔵ノ邸へ入って、その夜もまた幕府の“預かり....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
なめに庭つづきの山すそをだいぶ歩いた。おかしいと感じ出したのは、もう庭ではなく、
滑川を渡って町屋根も見えていたからだった。 「師直。邸内の庭座敷などではなかった....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
なかでも巨大な紅蓮は、柳営一帯を舐め狂ッている風火で、そこを焼き尽くせば、炎は
滑川もこえて、ここ東勝寺の山門へ移ってくるしか火魔の目標となる物はない。 「いわ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
氏よりも道誉にちかい当世型の婆娑羅肌といってよい。 道誉とは、まだ鎌倉のころ、
滑川の妓家で、双方、極道の面をさらけ合って、飲んで、喧嘩別れをしていらい、逆に、....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
比較を可能ならしめるほどの相接近した事例がある。現在知られている南の端は、越中|
滑川のネムタ流し。これは人形をこしらえて海に流す行事で、その際に子供が水を浴び、....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
牡蠣船にはいって一杯やるようなことを想像したのであります。 満潮や枯蘆交り枯尾花
滑川などにも見る光景であります。冬になると岸に生えている芒も枯れ水中の蘆も枯れて....