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滝野川
「滝野川〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
滝野川の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千代女」より 著者:太宰治
ばんはじめのペエジに大きい活字で印刷されて、たいへんな事になりました。私の家は、
滝野川の中里町にあります。父は東京の人ですが、母は伊勢の生れであります。父は、私....
「生ける人形」より 著者:寺田寅彦
れない。 (昭和七年六月、東京朝日新聞) この記事が東京朝日新聞に出たのを見た
滝野川の伊達氏が、わざわざ手紙をよこして、チャップリンの文楽見物の事実を知らせて....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
彼が、しげしげと私の家に来るようになったのは、私共が、田端で火事に焼け出されて、
滝野川の高台の家に越してからでした。 それ程深い交渉がなく、そして彼が幾分か遠....
「震災日記より」より 著者:寺田寅彦
はその話は信ぜられなかった。 夕方に駒込の通りへ出て見ると、避難者の群が陸続と
滝野川の方へ流れて行く。表通りの店屋などでも荷物を纏めて立退用意をしている。帰っ....
「月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
いうのだ。 十一月のはじめで、小春日和というのだろう。朝から大空は青々と晴れて
滝野川や浅草は定めて人が出たろうと思われるうららかな日であった。梶井が息を切って....
「春雪」より 著者:久生十蘭
飲んだだけで、つまらなくあの世へ行ってしまった。 四月七日の霜柱の立つ寒い朝、
滝野川で浸礼を受けた帰り、自分にはいままで幸福というものがなかったが、いま、ささ....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
に終戦になったので、程もなく同君は山梨県東八代郡花鳥村竹居の疎開地から無事に都下
滝野川区上中里十一番地の自宅へ還った。が、間もなく天、同君に幸いせずついに上に記....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
多かったのでしょう。井上通泰氏などは特に御別懇のようでした。ずっと前に、私どもが
滝野川へ散歩した時、まだ詰襟服の井上氏を連れて、掛茶屋に休んでいられるのにお会い....
「茶粥の記」より 著者:矢田津世子
、駅に着かないうちから別れを告げて立って行った。 蕎麦は二番粉の生蕎麦に限る、
滝野川の籔忠か池ノ端の蓮玉庵だと言っていた良人のことが思い出された。 小諸の駅....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
第三話 談譚聚団 これから昭和八年の春、再び夜逃げをするまで私は、
滝野川西ヶ原の陋巷《ろうこう》にいた。 すぐ裏が寄席で、夜毎、寄席噺子が洩れ聞....
「夏の夜の冒険」より 著者:平林初之輔
根元にいたんですよ。家がわからないんじゃないかと思うんです。 ――あちらなら、
滝野川署の管轄になっているんで。 巡査は、たった橋一つのちがいで、この厄介者を....
「澪標」より 著者:外村繁
深川の工場は全焼したが、一人の負傷者もなく、高田町の工場は残った。 叔父一家を
滝野川の避難先に見舞い、叔父の家の女中、八重と再会する。再会というのは、私が中学....