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滞陣
「滞陣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
滞陣の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
早百合姫《さゆりひめ》は三年前、京都の戦禍がやや鎮《しず》まっていたとき、京都|
滞陣《たいじん》の父の館《やかた》に呼び寄せられ、まだ十四|歳《さい》の少女であ....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
、今度こそは信玄と有無の一戦すべしとして、越後に馳せ帰ったのである。二年越の関東
滞陣で兵馬が疲れているにも拘らず、直ちに陣触に及び、姉婿長尾|政景に一万の兵を托....
「三国志」より 著者:吉川英治
のほうが優勢だった。 そのため、官軍のほうが、かえって守勢になり、いたずらに、
滞陣の月日ばかり長びいていたのだった。 「軍器は立派だし、服装も剣も華やかだが、....
「三国志」より 著者:吉川英治
日も経つと、寄手の軍は、すっかり意気を沮喪させてしまった。糧草の欠乏やら、長期の
滞陣に士気は倦み、あげくの果てに、雨期をこえてからおびただしい病人が出たりして来....
「三国志」より 著者:吉川英治
十日は、まだ何とかしのぎもついてゆく。 半月となるとこたえて来た。 ところが
滞陣はすでに一ヵ月に近くなった。陣中の兵糧は涸渇を呈した。 「一時に攻め陥せ」 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
むお心がないならば、はやく都へご凱旋あっては如何です。なすこともなく、こんな所に
滞陣しているのは無意味でしょう」 すると曹操は、 「決して無為に過しているわけ....
「三国志」より 著者:吉川英治
に王甫の言は聞き流してしまった。 「まず、後の憂いもない」 として、彼は、襄陽
滞陣中に、充分英気を養った士卒をして、襄江の渡河を決行させた。 もちろんこの間....
「三国志」より 著者:吉川英治
日々の強雨、一日中の悪暑、夜は夜で、害虫や毒蛇やさまざまな獣に苦しめられつつ、
滞陣半月を越えんとしていた。 孔明は、令を出した。 「瀘水の岸から百里ほど退陣....
「三国志」より 著者:吉川英治
、一言に決した。 「よし、この上は、自身指揮して踏みやぶるまでのことだ」 漢中
滞陣の一ヵ年のうちに、孔明は軍の機構からその整備や兵器にまで、大改善を加えていた....
「三国志」より 著者:吉川英治
ことばの遊戯以外の何ものでもないのである。いわんや晩年数次にわたる北魏進撃と祁山
滞陣中の労苦とは、外敵の強大なばかりでなく、絶えず蜀自体の内にさまざまな憂うべき....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
も」 師直は、主君のそばへ、狛犬のようにすり寄りかがまって。 「いっそ、矢作御
滞陣のまに、ここで同族一統の連判をおとりになっておかれたほうが、万、上策でなかろ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ぜか?」 と、怪しまれるほど、ここではおちついていたからだ。 ここ長門の府中
滞陣も、いつか二十日以上になっている。――するとここに果たして、尊氏が気にかけて....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
方の大部隊は去って、羽柴筑前守一軍をもって、いよいよ難攻不落の三木城に対し、長囲
滞陣と肚をすえた平井山の陣地にも、もう初秋が訪れていた。 山には桔梗が咲き、芒....