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滴らす
「滴らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
滴らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
ない。中央寺の坊主のいい草ではないが珍重珍重だ。おぬいさんがあのXの全量を誰かに
滴らす段になってみろ……。渡瀬は思わず身ぶるいを感じた。
まず作戦はあと廻わし....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ばかりに房々と実のっている。憂鬱な梨、葡萄、女の乳房のように※ぎ口から絶えず乳を
滴らす無花果、蜜柑、紅玉のような柿。――支那花鳥画の名手徐熙の孫で、花卉を描くの....
「馬」より 著者:佐左木俊郎
三十銭五十銭と持って帰るのであったが、その端金はまるで焼け石へじゅうじゅうと水を
滴らすようなものであった。 「お母あ! 俺が日傭で取って来た銭だけは蓄めでてけれ....
「印象」より 著者:小酒井不木
げさせました。そうして私は、規則として、赤ん坊の眼病を防ぐために、硝酸銀の溶液を
滴らすべく、はじめて赤ん坊の右の眼瞼をあけたのであります。 その時、私はあっと....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
よって牽かれ、外側からはその触れて居る物質の分子によって牽かれます。水の上に油を
滴らすとき、油が水の上に拡がるのは、水の表面張力が油のそれよりも大きいからです。....
「新案探偵法」より 著者:小酒井不木
せて、先ず犬の聴覚の客観的研究を行いました。犬が一定の音をきいて、ゴム管の先から
滴らす唾液の露を数えることは、鯉坂君にとって此上もない深い興味を与えました。 ....
「旅の旅の旅」より 著者:正岡子規
んじん》の谷間より木を負うて下り来る樵夫二人三人のそりのそりとものも得言わで汗を
滴らすさまいと哀れなり。 樵夫二人だまつて霧をあらはるゝ 樵夫も馬子も皆....
「噴水物語」より 著者:岡本かの子
の波浪性を起用し、盤の突端までに三段の水沫を騰らしている。 水を圧し上げ、水を
滴らす仕掛けとしてはこれで充分である。而も与えられたる水量を最も時間的空間的に形....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
た》らして掻き混ぜておくと凝結《かたま》らないから色々の料理に使う。板の上へ血を
滴らすと直《す》ぐ凝結って役に立たんよ。何《な》んでも料理法を研究すればそれぞれ....
「上海」より 著者:横光利一
参木はもう三日間、ブロークンな英語の整理に疲れていた。それに、このオルガの溜息に
滴らす会話は初めてだった。 「オルガさんは、いつかバザロフのお話をなすったですね....