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「漁夫の利〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

漁夫の利の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
安重根」より 著者:谷譲次
における日露の商工的利害に関し最も然りとなす。しこうして清国はこの間に立ちて独り漁夫の利を占めつつあるなり。」――とこう言うんだが、この新聞は社会党の機関紙だ。....
現代の主題」より 著者:宮本百合子
界の間に自立的な伝統と立場とを確立していず、いつも、うすら寒いすばしこさや拙速や漁夫の利で、その場その場を打開し糊塗してきた、その影響である。明治から大正初頭に....
女の手帖」より 著者:宮本百合子
である。 人民同士が互に不幸への憤りを見当違いにぶっつけ合って苦んでいる間は、漁夫の利で「御軫念《ごしんねん》」というような表現の陰にかくれ得る。昨今の事情に....
私たちの建設」より 著者:宮本百合子
侵略的支配者はヨーロッパのその矛盾、ヨーロッパ内部のその苦悩に乗じて、折あらばと漁夫の利を求めて、第一次大戦時代からちっとも本質の進歩していない侵略戦争を計画し....
便乗の図絵」より 著者:宮本百合子
囲には注目すべきさまざまの便乗現象がおこって来た。 この次の機会にこそ、日本は漁夫の利をしめるか、さもなければ大漁祝いのわけ前にありついて、前回でものにしそこ....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
るからといって、その対立をあまり正直に取ってはならない。鷸蚌《いつぼう》の争いは漁夫の利ということもないではないが、兄弟|牆《かき》にせめげども外その侮りを受け....
艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
なだよ」 クルリ無遠慮に彼女が展開したとたん、好機到来とばかりよろしくF青年、漁夫の利を占めてしまったというのである。 そのE師は玉川の僧院に余生をおくって....
三国志」より 著者:吉川英治
しかし劉表も、ここは容易にうごくまい。龍虎ともに傷つけば、かれは兵を用いずして、漁夫の利をうる位置にある」 「いや、それが外交です。九郡の大藩荊州を見のがしてお....
三国志」より 著者:吉川英治
つき詰めてみれば、みな魏の策略におどらされているに過ぎない。両大国が戦って、魏に漁夫の利を占めさせるなどは、実に愚の骨頂というものである。どうか、矛を収めて、以....
銀河まつり」より 著者:吉川英治
拠の武族だった。――けれど争われないことには、その際にも、呉越の真ン中に挟まって漁夫の利を占めるにいい立場にあった信州は、やはり喧嘩の方が羨ましかったとみえて、....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
既にいわゆる民主主義陣営と枢軸陣営の二大分野に分れ、ソ連は巧みにその中間を動いて漁夫の利を占めんとしつつあるが、果してしからばその将来は如何に成り行くであろうか....