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漁家
「漁家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
漁家の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
、上の壁には相阿弥の描いた鴨の空を飛ぶ絵をかけた。紹巴という茶人は、海辺の野花と
漁家の形をした青銅の香炉に配するに、海岸のさびしい美しさを歌った和歌をもってした....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
ど湖上を渡って行く、城のある出崎の蔭に浮網がしじゅう干してある白壁の蔵を据えた魚
漁家の娘だった。 この大きな魚
漁家の娘の秀江は、疳高でトリックの煩わしい一面と....
「漁村の婦人の生活」より 著者:宮本百合子
る上に、経済の点でも決して楽だとは云えないだろうと考える。私は残念ながら、詳しく
漁家の経済のくみたてられかたを知らないのだが、はたで見ていても地引が空なときの寂....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
すから、静寂な石巻湾の天地に響き渡りました。
あたりにもやっている船でも、港の
漁家でも、このごろはさして、それに驚きません。
また、あの船長様のお船で始まっ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ものの、夜半に吐いた気を収めず、まだほのぼのと揺ぐのが、渚を籠めて蒸すのである。
漁家二三。――深々と苫屋を伏せて、屋根より高く口を開けたり、家より大きく底を見せ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
腹を開いた燻製の魚などが吊されているとすれば、誰あろうがこの家を、信心深い北海の
漁家とみるに相違ない。 扉を入ると、そこは質素な客間だったが、正面の書架の上に....
「吊籠と月光と」より 著者:牧野信一
僕たちの間を割って七郎丸の首玉にぶらさがった。 七郎丸というのは彼の家に伝わる
漁家としての家名とそして持舟の名称であるはずなのだが、今では持舟はなくなって家名....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
1)に関する報告には、農家五七、子供四〇五人で、一家族当り約七・九分の一であり、
漁家は四二、子供が三一四人で、一家族当り七人半とある。子供のない農家は七、
漁家は....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
我蕎麦存す野分かな 蘭《らん》夕《ゆふべ》狐のくれし奇楠《きゃら》を※《たか》ん
漁家寒し酒に頭《かしら》の雪を焼く 頭巾二つ一つは人に参らせん 我も死して碑にほ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ぐりて、天然の湖形をなす。ときに、身は琵琶湖上にあるがごときの思いをなす。両岸に
漁家点在するを見る。木壁を塗るに、あるいは白色ペンキ、あるいは赤色ペンキを用い、....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
汚穢としなかった屠者とか、猟師とか、漁夫――漁夫もまた見様によっては屠者の族で、
漁家の出たる日蓮上人は、自ら旃多羅の子だと言っておられる。――とかの仲間の多数が....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
て、鎌倉時代には一般の肉食殺生の常習者をも時にエタとも非人とも呼ぶことになった。
漁家の出たる日蓮聖人が自ら「旃陀羅」すなわち屠者の子なりとも、また「畜生の身」な....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
んだ起原説までが書いてあるのである。なおまた日蓮は穢民の家を捨て、母の縁を尋ねて
漁家の種族と名のったのだとか、それは世の侮を防ぐ孝心の結果であるのだとか、余程穿....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
代償を払っても、食物をこれに乞う以上乞食と言われても致し方がなかったのであろう。
漁家の子たる日蓮聖人が、「畜生の身なり」と言われたのも、全くこの意味からであった....