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漁港
「漁港〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
漁港の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
内にいた。言って見れば、山上一族が住む相州|三浦の公郷村からほど遠からぬ横須賀の
漁港に、そこに新しいドック修船所が幕府の手によって開き始められていたのだ。地中海....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
と》が海にせまって、隙間《すきま》には黒い家が建ち並んでいた。
どこかの小さな
漁港なのだ。しかもこれは、彼らが見棄てたはずの土地からそれほど遠く離れてはいなか....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
所長の紹介状を一本、大上段に振り冠りながら、沿海の各県庁、水産試験場、著名の漁場
漁港を巡廻し、三寸|不爛の舌頭を以て朝鮮出漁を絶叫する事、又、十二年間……折しも....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
には三陸の漁場をひかえて、塩竈、石巻という二ツの市、気仙沼、女川、渡波などという
漁港がある。ほかに、金華山にちかく、牡鹿半島の尖端に鮎川という鯨専門の
漁港がある....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
るということはないようであった。 仙台から北の牡鹿半島のノドクビに石の巻という
漁港がある。ここにまだ三十そこそこの女アンマがいて、自分勝手なモミ方をする。ツボ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
と間のぬけた顔をしながら、厄除橋の辺をウロついていた。 薄暮の海が眺められた。
漁港らしい灯が日和佐川に映っている。宿の中を通っている街道には、ひとしきり荷駄の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
されと、おれが言っていたとつたえるがいい」 うしろに山を負っている星明りの暗い
漁港だった。 知夫の港である。 湾はその内そとに、小れ島の島影をいくつも重ね....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
で、志摩、伊勢をA字形に自動車と汽車で縦横走して、今夜中に、紀伊半島の尖端に近い
漁港まで行こうというわけである。 長島駅で眼をさまし、引本の
漁港の灯に、熊野灘....
「イグアノドンの唄」より 著者:中谷宇吉郎
話である。英領南アフリカ喜望峰の近くに、東倫敦《イースト・ロンドン》という小さい
漁港がある。その西方数|哩《マイル》の海底から、トロール網にかかって、不思議な魚....