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漂着
「漂着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
漂着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
》かに迷い出たのである。 大阪に、岡山に、広島に、西へ西へと流れて遂にこの島に
漂着したのが去年の春。 妻子の水死後|全然《まるで》失神者となって東京を出てこ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
方は、『宣賓《シュウチョウ》の草漉紙《パピルス》』『メンヤンの草漉紙』という名の
漂着物をご存知ですか。一つは揚子江の流れをくだり四川省の宣賓《シュウチョウ》、一....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
機に切断されたのであろうが、胴体のみはその三時間後に、同市を去る二マイルの海浜に
漂着した。勿論、その屍体がディグスビイであるということは、着衣名刺その他の所持品....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
陳列所の設けも無きゆえ何時までも此儘に捨置く可きに非ず、最寄区役所は取敢えず溺死
漂着人と見做して仮に埋葬し新聞紙へ左の如く広告したり 溺死人男年齢三十歳より四....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
。 鬼国 梁の時、青州の商人が海上で暴風に出逢って、どことも知れない国へ
漂着しました。遠方からみると、それは普通の嶋などではなく、山や川や城もあるらしい....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
その鞄は、執念《しゅうねん》深いというのか、海上を漂《ただよ》ううちに海岸へ
漂着《ひょうちゃく》した。元村《もとむら》の桟橋《さんばし》のすぐそばであった。....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ライターが手近にある生活になれていたので、この絶海《ぜっかい》の孤島《ことう》に
漂着《ひょうちゃく》しても、そんなものすぐそばにあるようなさっかくをおこしたのだ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ら木綿の入ったのは宋の末だというし、我国では延暦十八年に崑崙人(印度人)が三河に
漂着したが、其舟に木綿の種があったのを栽培したのが初だといわれている。また、木綿....
「河霧」より 著者:国木田独歩
してがっかりして急に年を取ッた。そして希望なき零落の海から、希望なき安心の島にと
漂着した。 かれの兄はこの不幸なる漂流者を心を尽くして介抱した。その子供らはこ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
タリス老人は、よく難船した人の話をした。ある話では、なにも食べ物のないはなれ島に
漂着した船乗りが、船のボーイを食べてしまったこともある。わたしは仲間がこんなにひ....
「ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格」より 著者:坂口安吾
へ来ようと思っていたのではありません。シナの船が、暴風に吹き流されて、種子ヶ島へ
漂着したのであります。そのシナ船には、ポルトガル人が三人乗っておりました。 こ....
「俊寛」より 著者:倉田百三
なたを養い守りますぞ。(俊寛を抱きしめる) 第二場 俊寛の小屋。いそに
漂着したる丸太や竹を梁や桁とし、芦を結んで屋根を葺き、苫の破片、藻草、松葉等を掛....
「秋の筑波山」より 著者:大町桂月
年、親房は宗良親王を奉じて東下せしに、颶風に遭ひて、一行の船四散し、親房は常陸に
漂着し、ひと先づ小田城に入る。然るに城主小田治久賊に心を寄せければ、関城に移れり....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
でドラムカンの化け物のようなこの機雷を見た。それはその年かその前年ごろ新潟の浜へ
漂着し工兵が処理したものであったが、すでに当時から裏日本の諸方の浜ではこの機雷に....
「錦紗」より 著者:犬田卯
てしまっている娘が可哀そうだったのだ。 そこでお通は沼沿いの丘の下へどこからか
漂着して住んでいる山伏のような「地神様」と村人がよんでいる方位師のところへ行って....