漆紋[語句情報] »
漆紋
「漆紋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
漆紋の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
―葎戸の扉を明けて、円々と肥った、でっぷり漢が仰向いて出た。きびらの洗いざらし、
漆紋の兀げたのを被たが、肥って大いから、手足も腹もぬっと露出て、ちゃんちゃんを被....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
なぞは江戸で大変な人気だ。当時、御家人旗本の間の大流行は、黄白な色の生平の羽織に
漆紋と言われるが、往昔家康公が関ヶ原の合戦に用い、水戸の御隠居も生前好んで常用し....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
、何となく目に立って昂奮して来るのであった。能の当日になると、夏ならば生|帷子の
漆紋(加賀梅鉢)に茶と黄色の細かい縦縞、もしくは鉄色無地の紬の仕舞袴。冬は郡山(....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
鼻隆うして口の角なるが、頬肉豊に、あっぱれの人品なり。生びらの帷子に引手のごとき
漆紋の着いたるに、白き襟をかさね、同一色の無地の袴、折目高に穿いたのが、襖一杯に....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
居と聞けば、武辺、文道、両達の依田学海翁が、一夏土用の日盛の事……生平の揚羽蝶の
漆紋に、袴着用、大刀がわりの杖を片手に、芝居の意休を一ゆがきして洒然と灰汁を抜い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
行きました。 びっしょりになった浴衣を着換えた神尾主膳もまた、同じように生平の
漆紋《うるしもん》で、前の座敷に盃《さかずき》を手にしながら待っていました。 「....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
上。 まるで雨乞いでもするような恰好で、うっそりと腰をかけているのが、顎十郎。
漆紋《うるしもん》の、野暮ったい古帷子《ふるかたびら》の前を踏みひらいて毛脛を風....