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「漏り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

漏りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ゆず湯」より 著者:岡本綺堂
五年も過ぎていた。 その年の秋に強い風雨《あらし》があって、わたしの家の壁に雨漏りの汚点《しみ》が出た。たいした仕事でもないから近所の人に頼もうということにな....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。その光りであたりを見まわすと、もう手入れ前の古屋敷とみえて、天井や畳の上にも雨漏りの痕がところどころ黴びていて、襖や障子もよほど破れているのが眼についた。昼間....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
らもう四、五年も過ぎていた。 その年の秋に強い風雨があって、わたしの家の壁に雨漏りの汚点が出た。たいした仕事でもないから近所の人に頼もうと云うことになって、早....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
にある。 康煕年間のある秋に霖雨が降りつづいて、公の祠の家根からおびただしい雨漏りがしたので、そこら一面に湿れてしまったが、不思議に公の像はちっとも湿れていな....
春昼」より 著者:泉鏡花
と思われた。丹塗の柱、花狭間、梁の波の紺青も、金色の竜も色さみしく、昼の月、茅を漏りて、唐戸に蝶の影さす光景、古き土佐絵の画面に似て、しかも名工の筆意に合い、眩....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
起きかけて、旅僧は恐る恐る燈の影に透したが、幸に、血の点滴ではない。 さては雨漏りと思う時は、蚊帳を伝って雫するばかり、はらはらと降り灌ぐ。 耳を澄ますと、....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
子の箱など店に並べた、屋根は茅ぶきの、且つ破れ、且つ古びて、幾秋の月や映し、雨や漏りけん。入口の土間なんど、いにしえの沼の干かたまったをそのままらしい。廂は縦に....
」より 著者:犬田卯
のである。いや、大いにやってもらって、教育上、ないし児童の保健上、現在のような雨漏り吹き通しの校舎はよろしくない――立派な鉄筋コンクリート二階建の校舎を近村に誇....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
たのだった。夜も昼もなかった。一番奥の部屋へ蒲団を敷きぱなしにして。屋根からは雨漏りがした。壁は崩れてしまった。掃除もしない家の中は、埃や鼠の糞だらけだった。 ....
贋物」より 著者:葛西善蔵
の妄想に耽っていたが、いつまでしてもその亡霊は紙に現れてこなかった。 ある日雨漏りの修繕に、村の知合の男を一日雇ってきた。彼は二間ほどもない梯子を登り降りする....
古事記」より 著者:太安万侶
三年の間人民の租税勞役をすべて免せ」と仰せられました。この故に宮殿が破壞して雨が漏りますけれども修繕なさいません。樋《ひ》を掛けて漏る雨を受けて、漏らない處にお....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
この我が住家について、どこが住みにくいのか、襖が破れていたら張り替えもしよう、雨漏りがしていたら、穴も葺き防ごう。このようにいちいち住みにくい個所を調べ除いて、....
耳香水」より 著者:大倉燁子
に粗末な室です。西陽を除けるための日除けも汚点だらけで、壁にも処々地図のような雨漏りの跡があります。壁に寄った隅の方のベッドには死人が後向きに寝かせてありました....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
いた末、やっと見つけた東京での二畳の部屋。そこへ大の字にひっくり返って、天井の雨漏りのしみをながめながら考えたのはこれからのことだった。紙というのは後に私が名づ....
色盲検査表の話」より 著者:石原忍
には赤と緑との色の差がかなりあってもわからなくなるのであります。例えば白い壁に雨漏りがして、しみがつきますと目立って見えますが、同じ程度のしみでも濃い色で模様の....