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漓
「漓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
漓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
これは癡翁《ちおう》第一の名作でしょう。――この雲煙の濃淡をご覧なさい。元気|淋
漓《りんり》じゃありませんか。林木なぞの設色《せっしょく》も、まさに天造《てんぞ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
からざる魂を表わせり。想《おも》うに渠《かれ》が雪のごとき膚《はだ》には、剳青淋
漓《さっせいりんり》として、悪竜《あくりょう》焔《ほのお》を吐くにあらざれば、寡....
「運命」より 著者:幸田露伴
の人の愛読|耽翫を惹く所以のもの、決して尠少にあらずして、而して又実に一|篇の淋
漓たる筆墨、巍峨たる結構を得る所以のもの、決して偶然にあらざるを見る。 賽児は....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
すと、たっぷり筆に墨を含ませて書きも書いたり、奔馬空を行くがごとき達筆で、墨痕淋
漓と自ら退屈男の書きしたためたのは実に次のごとき大文字です。 「直参旗本早乙女主....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
駈け付けると、婿は寝床の外に倒れ、ひとりの※は床の上に倒れ、あたりにはなま血が淋
漓としてしたたっているので、人びとは又もや驚かされた。 それにしても他のひとり....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
崩れ立つところだが、流石《さすが》は信玄勢のウムと堪《こら》えたところは豪快|淋
漓《りんり》で、斬立てられたには違無かろうが実に見上げたものだ。政宗の秀吉に於け....
「ドレフュー大疑獄とエミール・ゾーラ」より 著者:幸徳秋水
ずと。而してエミール・ゾーラは蹶然として起てり。彼が火の如き花の如き大文字は、淋
漓たる熱血を仏国四千万の驀頭に注ぎ来れる也。 当時若しゾーラをして黙して己まし....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
ものを着た覚平は大きな旗をまっすぐにたてて町々を歩きまわるのである。旗には墨痕淋
漓とこう書いてある。 「同志会の幹事は強盗の親分である」 かれは辻々に立ち、そ....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
老人は壁へ指を指した。洋風の壁へかかっているのは、純日本風の扁額であった。墨痕淋
漓匂うばかりに「紙鳶堂」と三字書かれてあった。 「形学を学んだお前のことだ、紙鳶....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
ノバンも富士男も賛成した。一同はうちつれて山田左門の墓にもうで、ゴルドンの慷慨淋
漓たる弔詞のもとに礼拝をおわった。 九時になった、ドノバンとイルコックが見張り....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
女を見ていたずらに心を動かすがごとしという遍昭が歌の生れ変り肱を落書きの墨の痕淋
漓たる十露盤に突いて湯銭を貸本にかすり春水翁を地下に瞑せしむるのてあいは二言目に....
「犬神」より 著者:小酒井不木
尺ばかりの額で、よほど昔のものと見えて、紙の色は可なりと古びて居るが、墨痕は、淋
漓とでも言おうか、見つめて居ると、しまいには、凄い様な感じの浮ぶほど鮮かなもので....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
画を描くのは誰にも知られていたが、極彩色の土佐画や花やかな四条派やあるいは溌墨淋
漓たる南宗画でなければ気に入らなかった当時の大多数の美術愛好者には大津絵風の椿岳....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ける中に門生が誠意を籠めて捧げた百日紅樹下に淋しく立てる墓標は池辺三山の奔放|淋
漓たる筆蹟にて墨黒々と麗わしく二葉亭四迷之墓と勒せられた。 三山は墓標に揮毫す....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
て追い飛ばしたので犬はことごとく去ってしまった。ところで私の足を見ますと出血|淋
漓としてどしどしと新しい血が出て来る。それから私は左の手でその噛まれた右の足の疵....